研究課題/領域番号 |
14570683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
辰巳 哲也 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20254328)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | apoptosis / acidosis / mitochondria / Bax / permeability transition / myocytes / myocyte / Bcl-2 / cytochrome C / hypoxia |
研究概要 |
心筋の虚血はnecrosisを導くとともにapoptosisを誘導する強力な因子である。近年、我々は低酸素化傷害により誘導される心筋細胞appptosisにおいて細胞内ATPに依存したミトコンドリアを介する経路の存在を報告している。低酸素化時には細胞質分画でのBaxのsuper expressionと細胞質からミトコンドリアへの移行に引き続き、Bcl-2のミトコンドリアから細胞質への移行がみられる。我々は低酸素化障害におけるこれらのBc1-2 family proteinの動態は細胞内アシドーシスにより強く制御されると考えた。そこでラット新生仔培養心筋細胞を用いて7時間のacidosis刺激を行い、ミトコンドリアを介するapoptosis誘導経路について検討した。acidosis刺激としてTyrode液中のpHを714(pH7.4群)、7.2(pH7.2群)、6.8(pH6.8群)、6.5(pH6.5群)と変化させた群を作成し、acidosis刺激後のapoptosisをHoe33258およびdesmin二重染色にて評価した。また各群においてミトコンドリアのpermeability transition(PT)および膜電位、細胞内caspase-3、9活性を測定し、さらにBax、cytochrome cの細胞内局在をWestern blot法にて検討した。7時間のacidosis刺激後apoptosisはpH7.4群、pH7.2群、pH6.8群、pH6.5群で各々3.8%、4.7%、6.9%、9.2%と有意に増加した。同様にBaxのミトコンドリアへの移行およびミトコンドリアのPTおよび膜電位の低下、cytochrome cの細胞質への遊離、caspase-3、9の活性化も細胞外pHに依存して認められた。次に細胞内acidosisによるBaxやミトコンドリアのPTへの直接作用を検討するため、培養心筋細胞の溶解懸濁液のpHを7.4、7.2、6.8、6.5と変化させたところ、細胞外acidosis刺激と同様にBaxのミトコンドリアへの移行およびミトコンドリアのPTはpHに依存して認められた。さらにミトコンドリアのPTの阻害剤であるcyclosporin Aの共投与によりミトコンドリアのPT、cytochrome の細胞質への遊離、caspaseの活性化が抑制され、細胞外acidosis刺激によるapoptosisは有意に抑制された。以上より培養心筋細胞においてadidosis刺激により直接Baxのミトコンドリアへの移行およびミトコンドリアのPTがもたらされ、ミトコンドリアを介してapoptosisが誘導されることが示唆された。
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