研究概要 |
初年度より、現行実験装置を活用して、まずアフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた電流計測を行なった。ウサギ心房筋由来L型Ca^<2+>チャネルα_<1c>サブユニット並びにCa^<2+>チャネルα_2,β_<2a>サブユニット、ウシ由来G_sタンパク質、adenylate cyclase,β_2受容体、AKAP79を発現させ、Ca^<2+>チャネルを通過するBa^<2+>電流を膜電流固定装置(Gene Clamp500,Axon:設置すみ)を用いて計測した。cDNAはすでにクローニングされており、本研究室で既に使用中であったが、これらcDNAより、Xenopus oocyteでの実験にはin vitro transcription法を用いて、必要とする蛋白質に対するcRNAを合成し、これを調製、混合の後、アフリカツメガエル卵母細胞に微量注入器(IM-30,Narishige:設置すみ)を用いて微量注入した。また、Poly(A)^+ RNAは市販のものを使用した。細胞は、細胞外液(NaCl 90,KCl 2,CaCl_2 1,MgCl_2 1,HEPES 5:mM)の中に置き、ピペット内には高濃度Ba^<2+>を含む液(BaCl_2 110,HEPES 10,TTX 0.0003:mM)を満たして、解析ソフトウェア(pClmap v 6,Axon:設置すみ)を用い、チャネル開口確率とensemble average電流の変化を見た。全細胞並びにCell attachedモードでの膜電流計測を行ったが、今回使用した薬品群では、膜電流増加作用をどの組み合わせにおいても確認できなかった。このため、発現チャネルをα_<1A>(P/Q-type)に変更したところ、PKAの抑制による膜電流減少を確認できた。チャネル活性調節ドメインの決定のため、ミュータントチャネルを作成し、L-typeチャネルとの比較検討を新たに行う予定である。同研究装置を用い、各種カルシウムチャネルブロッカーの作用検討を行うことができ、これらの業績を発表・投稿した。
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