研究課題/領域番号 |
14570703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
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研究分担者 |
鏡原 康介 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10341091)
加地 修一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80330554)
赤阪 隆史 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70322584)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | NO / 冠循環 / カテーテル型NOセンサー / 虚血性心疾患 / 虚血再灌流障害 / 虚血再還流障害 |
研究概要 |
1.経時的NOの定量評価(カテーテル型NOセンサーの評価) 麻酔雑種犬において右大腿動脈から7Frのガイディングカテーテルを挿入し、ガイディングカテーテルを介してカテーテル型NOセンサーを大動脈弓直下の下行大動脈に留置した。右内頚動脈から6Frピッグテールカテーテルを左室内に挿入し、それを介してアセチルコリンを持続注入したところ、直ちにNO濃度の上昇を認めた。また、L-NMMA(NO合成酵素阻害物質)投与後にアセチルコリンを持続注入してもNO濃度の上昇が抑制されることを確認した。 2 カテーテル型NOセンサーの冠静脈洞への応用 カテーテル型NOセンサーを冠静脈洞へ用いるため、先端に血管壁損傷予防でsoft tipおよびセンサー自体の強度を増すためセンサーの両端にmetal wireを装着し改良した。 麻酔下成犬の頚静脈から7Frカテーテルを冠静脈洞へ挿入しカテーテル型NO・スーパーオキサイドセンサーを冠静脈洞内へ留置した。この状態で、アセチルコリン(0.4および1.0μg/kg)を冠動脈注入するとNO濃度は上昇しさらにアセチルコリンの容量依存性に上昇した。また、L-NAME投与後に同様にアセチルコリン(0.4および1.0μg/kg)を冠動脈注入すると、NO濃度の上昇が認められたがその上昇度は明らかに抑制されていた。このことから、カテーテル型NOセンサーをもちいてアセチルコリン依存性のNO産生の測定が可能でL-NAME投与後にそれが抑制されることも実証した。また、L-NAME投与によりNOSを抑制したにも関わらすNO濃度が上昇していることは興味深いところである。 また、アセチルコリン依存性のNO上昇だけでなくL-NAMA投与するだけで有意なNO濃度の低下が認められた。ISDN 0.5mg投与による内皮非依存性のNO濃度の変化も観察しており、アセチルコリンよりは少ないがNO濃度の上昇を認めている。 さらに、同時に経時的に冠血流速の測定も行っておりアセチルコリンによりNO濃度同様に上昇し、冠血流速が低下してもNO濃度は上昇し冠血流速のpeakの約1分後にNO濃度のpeakを認めるデータを得た。 今後、このセンサーを用いて冠循環における経時的なNO動態の評価が可能となり、心疾患・心機能への詳細なNOの関与や新たな治療薬の開発への貢献が期待される。
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