研究概要 |
全例で移植操作後に心タンポナーデは認められず,安全に施行できた.(1)移植後の冠動脈造影では両群共に3例ずつ良好な側副血行路の発育を認めた.(2)心エコーで,虚血領域の壁運動を視覚的に比較した.負荷時に治療群では新機能の悪化は認められなかったが,対照群では心機能悪化例が多かった.(3)心筋内面流量は対照群が治療前0.477ml//min/gから0.313ml//min/gと変化なかったのに対し,治療群では各々0.258ml//min/gから0.652ml//min/gへと有意に増加した.(4)また毛細血管密度は移植群の虚血領域で有意に増加していた.(5)また,蛍光色素をラベルしたBM-MNCを同様の方法で移植したこの系とは別のブタのモデル2頭の実験では,2週間後の組織から移植細胞が確認できた. 結語:以上より,心筋注入用カテーテルを用いた自己骨髄単核球移植は虚血領域の血管新生を促し,心筋内血流量を増加させ,心機能を改善させることが明らかとなり,新しい治療法となりえる可能性があると考えた.
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