研究課題/領域番号 |
14570730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上原 貴博 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (30293369)
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研究分担者 |
笠原 善仁 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (30204366)
谷内江 昭宏 金沢大学, 医学部, 教授 (40210281)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 小児発達免疫 / TREC / CDR3サイズ解析 / CD244 / CD8β鎖 / CDR3領域アミノ酸配列 / 細胞傷害性顆粒 / サイトカイン産生 / 免疫発達 / メモリーT細胞 |
研究概要 |
胸腺においてTCRの遺伝子再構成を経たT細胞にはTRECが認められ、TREC量を定量的に解析することで胸腺機能の指標とし得る。またTCBβ鎖のCDR3サイズ分布を解析することで、T細胞レパートアの多様性を評価し得る。したがって、T細胞亜群におけるTREC量ならびにCDR3サイズ分布を解析することにより、間接的にT細胞機能の評価を行い得ると考えられる。本研究ではこれらのパラメーターをCD8陽性T細胞におけるCD8β鎖ならびにCD244の発現と組み合わせることで、小児発達免疫の基礎データを得た。 CD8β鎖:i)加齢とともにCD8α^+β^<low>群が増加。ii)細胞傷害性顆粒であるperforin、granzymeB、TIA-1発現は、CD8α^+β^<high>群では二者ともに発現・非発現群に分かれるが、αα群ではperforin・TIA-1は総てに発現しgranzymeBは総てに陰性であった。サイトカイン産生では、IL-2はCD8α^+β^<high>のみ産生・非産生群に分かれるがβ^<low>以下では陰性、IFN-γはCD8α^+β^<high>群のみ産生・非産生群に分かれるがβ^<low>以下はすべてが陽性であった。以上よりα^+β^<low>およびαα群がエフェクター・メモリーに相当すると考えられた。CDR3サイズ・TRECならびに各群のCDR3領域アミノ酸配列解析の結果、抗原刺激によるclonal expansionによってCD8α^+β^<high>→α^+β^<low>→ααの順にβ鎖の発現が低下すると考えられた(Konnoほか、Blood)。 CD244:i)CD244抗原は加齢とともに発現が増加。ii)TRECおよびCDR3サイズ分布の複雑度の検討では、それぞれCD28^+・CD62L^+かつCD244^-群(A)にて最も高値で、CD28^+・CD62L^+かつCD244^+群(B)、CD28^-、CD62L^-かつCD244^+群(C)の順に低下した。iii)臍帯血では殆どが(A)で、急性ウイルス感染では一時的に(B)が出現。加齢により(C)が増加した。以上よりそれぞれ(A)ナイーブ→(B)エフェクター・メモリー→(C)メモリーに対応すると推察した(投稿準備中)。 CD8陽性T細胞において、CD8β鎖の発現低下ならびにCD244抗原発現の増強をもって機能的分化を推察でき、移植後免疫再構築の指標としても有用であると期待される。
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