研究課題/領域番号 |
14570748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
香美 祥二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00224337)
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研究分担者 |
吉栖 正典 徳島大学, 医学部, 講師 (60294667)
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | インテグリン / ECMリモデリング / コラーゲン / TGF-β / ILK / ラット抗Thy-1腎炎 / MMP / エンドセリン |
研究概要 |
小児の慢性、進行性腎疾患に共通する細胞生物学的特徴は、糸球体メサンギウム細胞(MC)や腎間質線維芽細胞(Fib)によるコラーゲン(COL)基質を中心とした細胞外基質(ECM)の異常リモデリングであり、最終的には糸球体硬化、間質線維化からなる腎線維症を呈する。この腎線維症発症に関わる異常なCOL基質リモデリングの分子生化学的機序を、ラット腎炎モデルや培養MC、Fibを用いて、COL結合インテグリン(IG)から発生するシグナル伝達経路を分析することにより検討した。 1)組織線維化現象(COLリモデリング)のin vitroモデル、COLゲルコントラクションアッセイを用いたIG機能の検討:エンドセリンは、培養MCのα1β1IGを介する遊走能を刺激することによりCOLリモデリングを亢進させた。一方、腎間質線維化促進因子であるTGF-βは、培養Fibのα1β1,α2β1IG発現を刺激することによりCOLリモデリングを亢進させた。この作用に加えてをTGF-βはFibのα-SM actinの発現も亢進させることが判明した。これらFibのCOLリモデリング能力は抗α1,α2IG機能阻害抗体により阻害され、電顕的観察でも太いCOL繊維の形成が抑制されており、IGの組織線維化現象における重要性が明かとなった。 2)COLリモデリングにおけるα1β1IGシグナルの役割検討:シグナル伝達阻害薬やドミナントネガテイブDNA vectorを用いて検討したところ、COLリモデリングの過程でα1β1IGシグナルより発生するシグナルとしてERK-AP-1シグナルが重要であった。このシグナル経路を阻害すると異常なCOLリモデリングを制御できる可能性がある。 3)片腎抗Thy-1腎炎は進行性腎炎に見られるECMの異常リモデリング像を呈する腎炎モデルである。この腎炎を用いてIGシグナルの分析を試みた。異常ECMリモデリング像がピークになる時期に、ERKシグナルやIG結合カイネース(ILK)が増強することが判明した。今後は、IG関連細胞内シグナル分子の活性化を阻害する薬剤を発見し、小児腎疾患の進展を抑制する研究を行う必要がある。
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