研究課題/領域番号 |
14570750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
脇口 宏 高知大学, 医学部, 教授 (10116519)
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研究分担者 |
今井 章介 高知大学, 医学部, 教授 (60232592)
前田 明彦 高知大学, 医学部, 助手 (50335931)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 慢性活動性EBV感染症 / T / NK細胞増殖 / EBV遺伝子 / T, NK細胞増殖 |
研究概要 |
小児に多く、今日なお病態不明で、T、NKリンパ球の腫瘍性増殖によると目される予後不良疾患、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の発生機序解明と有効治療法の確立を目指した研究を行い、以下の成果を得た。 当研究の基本的実施戦略は、本症患者体内で無制限増殖するEBV感染T、NK細胞に腫瘍性形質を賦与する責任EBV遺伝子を、感染EBVゲノム自体と機能的に置換可能な単一のEBV遺伝子として同定することである。各EBV潜伏感染遺伝子のすべてを組み込んだ自己不活化型レトロウイルスベクター(SIN-RV)を単離し、これを用いて重症型CAEBV患者由来のEBV持続感染T、NK細胞株に各EBV遺伝子を個別に導入、安定発現クローンを樹立中である(一部は完了)。並行して、EBV感染T、NK細胞から人為的にEBVエピゾーム自体を脱落させるため新たに作製したdominant-negative (dn) EBNA1変異体遺伝子を、ファイバー置換型アデノウイルスベクターにより至適条件下にEBV持続感染T、NK細胞株に接種することで、迅速(接種後6〜10日以内)かつ高効率(60〜75%の細胞から)にEBVゲノムを完全に駆逐することに成功した。また、このEBV脱落に伴って、T、NK細胞増殖能の著明な低下が引き起こされることを明らかにし、その機序の一部がアポトーシスであることを示した。 現在、責任EBV遺伝子の同定作業が最終段階に入っている。さらに本dnEBNA1がEBV陽性T、NK細胞腫瘍性増殖疾患に対する新たな遺伝子治療用分子となりうることを示すため、Tet制御系によるconditionalな発現システムを作製し、動物実験を実施中である。
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