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びまん性肺疾患のディジタルX線写真による診断能の向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14570846
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 放射線科学
研究機関福井大学(医学部)

研究代表者

伊藤 春海  福井大学, 医学部, 教授 (40026943)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード肺実質 / 画像診断 / 伸展固定肺 / 肺胞管 / 肺胞ドーム / びまん性肺疾患 / HRCT / 肺胞 / 肺細血管 / 胸部写真 / 肺胞道 / 空間充填 / 菱形12面体
研究概要

本研究はディジタルX線写真の診断能の評価をX線CTと肺標本の解析を基礎に実施する計画を立てた。対象疾患として肺癌の他に肺線維症、塵肺などの各種びまん性肺疾患を選んだ。研究を着手した段階でこれらの疾患の病変の場が肺実質であり、しかもそれらの病変のX線学的コントラストがやはり肺実質によってもたらされることに注目した。しかし肺実質の構築の詳細については放射線医学の立場からの研究は殆どなされておらず、この問題抜きにはディジタルX線写真の正確な評価は難しいと判断し、研究に着手した。肺実質の構築に関する研究は伸展固定肺標本を用い、実体顕微鏡による観察と組織像の組み合わせを特に重視した。必要に応じて標本のX線像、CTを利用した。実体顕微鏡による標本の3次元的観察を重視したのは組織像が2次元像であり、肺実質の構築を解析するには不十分だからである。研究結果を以下に要約する。肺実質は空間を緻密に充満するスポンジ様構造体である。肺実質は気管支、肺血管を取り囲み、肺全体の容積の9割を占める。スポンジ様構造体は空気を含む流路とそれを囲む微細構造に分かれる。実体顕微鏡観察ではそれぞれは肺胞管固有腔と肺胞に相当する。肺胞は隣接する肺胞管を境するように背中合わせに2層並ぶ。この際肺胞ドームは共有されるが、この事を十分に周知して来なかったため肺の構築に関する理解は臨床医のレベルで世界的に遅れたものになっている。肺胞管は細気管支と異なり、その全体的形状は多面体であり、空間を充満するのに適している。肺胞管は分岐により流路の連続性を保ち、呼吸細気管支に通じる。肺血管は肺胞管の間の狭い空間を走行するので血管周囲性に浸潤する病変は血管を囲む肺胞管内の空気でコントラストが付与される。一方肺腺癌は肺胞ドームを連続的に浸潤しつつ等方的に拡大する。肺結核は肺胞管を充満する典型的気腔性病変である。このように肺実質の構築から肺疾患の画像診断の見直しを進める必要がある。

報告書

(3件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 伊藤春海: "放射線科から:末梢肺組織の形態と病変を再考する-HRCTへの応用を期待して-"日本胸部臨床. 61・5. 392-403 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤春海: "HRCTによる特発性肺線維症の診断と鑑別"日本医師会雑誌. 128・2. 213-217 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤春海: "HRCT読影のための肺既存構造-肺実質を中心に-"日本胸部臨床. 61・創刊号. S25-S36 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Nakatsu M, Hatabu H, Morikawa K, Ueinatsu H, Ohno Y, Nishimura K, Nagai S, Izumi T, Konishi J, Itoh H: "Large Coalescent Parenchymal Nodules in Pulmonary Sarcoidosis : "Sarcoid Galaxy" Sign"Amrican Journal of Roentgenology. 178・6. 1389-1393 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤春海: "胸部HRCTの読影と考え方"治療. 85・6. 1847-1853 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Nakatsu M, Hatabu H, Morikawa K, Uematsu H, Ohno Y, Nishimura K, Nagai S, Izumi T, Konishi J, Itoh H: "Large coalescent parenchymal nodules in pulmonary sarcoidosis : sarcoid galaxy sign."Am J Roentgenol. 178(June). 1389-1393 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤春海: "胸部HRCTの読影と考え方"治療. 85・6. 23-29 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Nakatsu M, Hatabu H, Morikawa K, Uematsu H, Ohno Y, Nishimura K, Nagai S. Izumi T, Konishi J. Itoh H: "Large Coalescent Parenchymal Nodules in Pulmonary Sarcoidosis :"Sarcoid Galaxy"Sign"Am J Roentgenol. 178・6. 1389-1393 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤春海: "放射線科から:末梢肺組織の形態と病変を再考する-HRCTへの応用を期待して-"日本胸部臨床. 61・5. 392-403 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤春海: "HRCTによる特発性肺線維症の診断と鑑別"日本医師会雑誌. 128・2. 213-217 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤春海: "HRCT続影のための肺既存構造-肺実質を中心に-"日本胸部臨床. 61・増刊号. S25-S36 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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