研究課題/領域番号 |
14570856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 講師 (10263089)
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研究分担者 |
永田 靖 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10228033)
荒木 則雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20362486)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 動脈内注入 / 酸化イットリウム / 肝腫瘍 / 内照射療法 / VX2腫瘍 / 放射線治療 / 血管内治療 / 放射性微小球 / microsphere / Yttrium-90 / intra-arterial radiation therapy / histological distribution / liver tumor |
研究概要 |
注入に用いた微小球は、純粋な酸化イットリウム(Y2O3)で構成され、サイズは直径20-30μm、末梢まで到達しやすいように高い真球性を有している。微小球の化学耐久性は京都大学工学部により評価された。16羽の日本白色家兎(オス)を、非治療群(N=5)、非放射化微小球注入群(N=5)、放射性微小球注入群(N=6)に割り付けた。各々の家兎肝臓に、VX2腫瘍組織片を開腹下に直接植え込み、2週間後に腫瘍の生育をCT画像で確認し、家兎右大腿動脈より、カテーテルを用いて固有肝動脈を選択し、非放射化および放射化微小球をそれぞれ約30mg注入した。放射化微小球注入群における注入放射能は131-173MBqであった。腫瘍の増殖の観察はCT画像上で行った。各微小球注入後3週間(腫瘍植え込みから計5週間)で、CT撮影後に家兎の観察を終了し、肝臓、胃、十二指腸、脾臓、肺を切除し、それぞれの臓器より組織片を採取し、濃硝酸を用いて、7日間恒温震盪することで完全に溶解し、溶解液中に含まれるYをプラズマ分光計により定量し、各臓器および正常肝組織、肝腫瘍への分布を評価した。観察終了時の各腫瘍最大径の平均値は、非治療群で29.3mm、非放射化微小球注入群で25.3mmであったのに対し、放射性微小球注入群では、11.0mmであり有意差を認めた。(P<0.005)各組織でのYの定量結果では、肺や脾臓などの遠隔臓器に関しては、採取したサンプルからは、Yは検出されなかった。肝臓では、非放射化微小球注入群で74.9%、放射性微小球注入群で73.7%、胃および十二指腸では、それぞれ2%-5%のサンプルにYが検出された。また、注入後の肝臓の組織学的検討においては、注入した微小球は変形せずに、直径20-30μmの細動脈まで到達しているのが観察された。正常肝組織においてはグリソン鞘内の小葉間動脈、腫瘍組織内では腫瘍血管内への微小球の到達が確認された。 家兎肝臓への血管内注入において、VX2腫瘍の著明な腫瘍増殖抑制効果が示された。また、他臓器への逸脱も認められず、安全性も証明することが出来た。
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