研究課題/領域番号 |
14570880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075473)
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研究分担者 |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90192070)
小林 秀樹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10178329)
北川 マミ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90277103)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PET / FDG / ホジトロン核種 / 放射線防護 / 医療被ばく / 遮蔽物 / 小型線量計 / 被ばく線量 / 吸収線量 / 医療従事者 / 放射性同位元素 / 防護 |
研究概要 |
FDG-PET検査における被ばく管理を目標に、基礎的検討と共に医療従事者、患者の介護者、そして患者の被ばく線量を測定した。 1.基礎的検討の結果 (1)低エネルギー核種であるTc-99mの鉛半価層は約0.3mmであるのに対し、511keV光子では約4.1mmである。またタングステンによる半価層はTc-99mで0.23mm、F-18で2.61mmである。 (2)標準のシリンジシールド(1.6mmタングステン)の遮蔽効果はTc-99mでは99.2%、F-18では34.3%であり、ポジトロン核種を90%遮蔽するには8.6mm厚のタングステンシールドが必要である。 (3)防護エプロン(0.5mmPb)の遮蔽効果を点線源と電離箱式サーベイメータにより測定すると、低エネルギー核種であるTl-201(70keV)は80%、Tc-99m(140keV)は70%遮蔽されるが、F-18(511keV)の遮蔽効果は約6%であった。511keVのγ線は5.5mmの鉛で50%、16.2mmの鉛で90%が遮蔽された。 2.PET検査における医療従事者、介護者の外部被ばく線量の測定結果 (1)医療従事者の被ばく線量;1日平均9名の被検者(FDG使用量185MBq)を放射線技師2名で検査。1回検査当り1従事者の被ばく線量は平均0.294-0.769μSvであった。車椅子の介助を要した症例、並びに心または脳検査の症例においては、各々平均1.278、1.339μSvtと被ばく線量が増加した。1ヶ月総計(15〜20日間勤務)線量は平均3.78〜18.91μSv(n=6)であった。 (2)介護者の被ばく線量は、FDG130MBq投与2〜3.5時間で0.5m距離の介助者が5.46μSv、1m距離の介助者が3.81μLSvであった。 (3)被検者の被ばく線量はFDG176MBq投与後2〜9時間で267μSvであった。また196MBq投与された被検者の2〜10時間の累積線量は600μSvであった。 以上から、PET検査においては遮蔽物(511keVのγ線用)と距離により防護された施設、そして時間・距離・遮蔽物・取り扱い技術などのソフト面を整えて安全管理を行う必要がある。医療従事者の被ばく線量は被検者数に比例して増加し、年間数mSvの累積放射線量に達する可能性が高い。一般公衆の被ばく管理にも配慮したガイドラインの作成が急務であると考えられた。
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