研究課題/領域番号 |
14570896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
古澤 佳也 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (50260237)
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研究分担者 |
青木 瑞穂 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員
川田 哲也 千葉大学, 大学院・医学研究院・放射線腫瘍学, 助手 (60234077)
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (00159526)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 放射線治療 / 放射線感受性 / DNA損傷修復 / 重粒子線 / 悪性黒色種 / 扁平上皮癌 / 高LET / DNA損傷修複 |
研究概要 |
癌の放射線治療において腫瘍の種類と放射線の種類によって異なる治癒成績の違いの細胞学的基礎を明らかにするために、放射線応答の異なるヒト腫瘍;悪性黒色種(10種)と扁平上皮癌(11種)の生存率曲線によるパラメータ解析を行った。ここから特徴的な細胞株を選別し、放射線感受性との相関を解析した。この結果、線形二次モデル式におけるα/β比および多重標的1ヒットモデル式におけるDq値の、X線に対する値と重粒子線に対する値の比が、悪性黒色種と扁平上皮癌で異なったパターンを示し、重粒子線治療と高エネルギーX線での治療での反応性の違いを説明出来る可能性が示唆された。またそれぞれの細胞群で特徴的な異常型を示す蛋白を中心に発現の違いに関する予備的調査を行った。さらに動物系でこれらの結果を実証するために、マウスへの移植性、移植腫瘍の増殖性などを調べ、動物実験系で使いうる腫瘍系の検索を行った。 非相同末端結合修復及び相同組換修復遺伝子のノックアウト細胞を用い、この組合せによる放射線のLETに対する細胞致死感受性を調べた。両遺伝子を欠いた場合、あるいは非相同末端結合修復遺伝子を欠き且つ相同組換えが出来ない細胞周期の細胞では、LETの上昇に従って正常細胞ではみられる放射線感受性の上昇が検出されず、感受性の上昇はDNA二本鎖切断の誤修復に起因していることが示唆された。同一系での染色体検査からも、修復欠損株は野生株に比べて10倍以上高い頻度で異常が生じること、野生株ではLET依存性が認められるにもかかわらず、欠損ではLETが上昇してもその頻度の上昇が少ないこと等が判った。 また教科書的には高LET放射線ではみられないとされる亜致死損傷回復について、二回目の照射に低LET放射線を用いることで、初回の放射線のLETが非常に高い場合であっても、これが低LET放射線同士の場合と同等に起こっていることを確認した。
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