研究分担者 |
中根 允文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80039833)
林田 雅希 長崎大学, 保健管理センター, 助教授 (70264223)
辻田 高宏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40304919)
今村 明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40325642)
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研究概要 |
本研究の目的は神経性大食症(BN)のモデル動物を作成することにある。BNと感情病のcomorbidityが指摘されているが,本研究では,感情病(うつ病)の生化学的脆弱性モデルとみなされる胎生期ストレスラットを用いた。 ラット胎仔において神経伝達物質受容体形成に重要な時期となる妊娠後期の母ラットに軽微なストレス(0.2ccの生理的食塩水の皮下注射)を負荷し,生まれた仔ラットを胎生期ストレス群とした。生下時体重は胎生期ストレス群と対照群で有意差はみられなかった。摂食量の測定は正確な単位時間ごとの測定が可能なペレットフィーダユニットを用いた。通常は自由に摂食,飲水可能な状態で飼育しているが,摂食時間を1日に2時間のみとする摂食制限を21日間実施した。雄性胎生期ストレス群では,摂食制限反復後の24時間絶食の後,最初の1時間あるいは4時間の体重あたりの摂食量は対照群に比し有意に増加していた。摂食制限開始時の体重は両群間に差はなかったが,摂食制限後,自由摂食環境下に戻した後3ヶ月および7ヶ月後の体重は対照群に比し胎生期ストレス群で有意に増加していた。また,雄性胎生期ストレス群において,摂食量の概日リズムの障害がみられた。また,その他の成熟後のストレスとして,予測不可能なマイルドなストレスあるいはコミュニケーションボックス(心理的ストレス)負荷を14日間実施した後の摂食量はいずれも胎生期ストレス群と対照群に有意差を認めなかった。以上より,胎生期ストレスラットにおいて摂食制限反復処置により有用なBNのモデルが作成できると考えられた。
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