研究課題/領域番号 |
14570936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
池田 官司 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30232193)
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研究分担者 |
吉田 拓 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60347169)
山本 恵 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90347170)
齋藤 利和 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50128518)
小澤 寛樹 長崎大学, 医学部, 教授 (50260766)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルコール依存 / アルツハイマー病 / アネキシンIV / CREB / NF-κB / BDNF / ApoE / NF-κ / アルコール性痴呆 / 脂質代謝異 / アポトーシス / エタノール |
研究概要 |
エタノールは痴呆の増悪因子としての側面があることが多数報告されているが、その分子生物学的基盤は未だ明らかではない。これまでに我々は、死後脳を用いた検討などから、アルツハイマー病とアルコール依存症の病態に共通した分子基盤の存在を見出し報告してきた。本研究では、初めに神経可塑性変化に重要な役割を担っている転写因子CREBの活性に及ぼすエタノールの影響について、神経細胞障害性を軸に検討した。SH-SY5Y細胞において、エタノールは用量依存的な細胞障害性を示した。CREB活性及びCREBによって発現調節を受けBDNFの細胞外分泌量を減弱させた。また、同細胞においてエタノールは転写因子NF-κB活性を増強させ、エタノールによる神経細胞の脆弱性にCREB-BDNF経路の減弱とNF-κB経路の活性化の関与を示唆した。次に、神経細胞の生存と神経幹細胞の分化誘導に及ぼすエタノールの影響について検討し、エタノールが栄養因子シグナルを変化させることにより神経細胞の生存及び神経幹細胞の分化機能を低下させ、神経回路網の維持・修復機能を減弱させていることを明らかにした。更に、ApoEのエタノールによる神経細胞障害に及ぼす影響について検討し、その効果はApoEのアイソフォームによって異なることを示した。すなわちApoE4ではエタノールによる細胞障害を抑制する傾向を示すが、ApoE2,ApoE3では変化は認められなかった。ApoEがどのようなメカニズムでエタノールによる神経細胞障害に関与するのかについては、今後詳細な検討が必要である。しかしながら、以上の検討から、アルコール依存の病態とアルツハイマー病に脂質代謝変化を起点とした共通する生物学的基盤が存在し、例えばApoEの機能変動の解析などから新しい認知機能障害の病態研究が展開できる可能性が示唆された。
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