研究課題/領域番号 |
14570948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
中橋 毅 (2003) 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40350764)
服部 英幸 (2002) 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00298366)
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研究分担者 |
松本 正幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50028677)
中橋 毅 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40350764)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / タウ蛋白 / 口腔粘膜上皮 / SNPs |
研究概要 |
本邦においてもアルツハイマー病は高齢者のQOLにおいて大きな問題となりつつある。タウ蛋白の発現様式はアルツハイマー病(AD)発症とよく相関し、脳脊髄液中のリン酸化、非リン酸化タウ蛋白の分画からAD発症の危険を予測することが可能となってきているが、本研究では非侵襲的なアルツハイマー病診断法を確立する目的で口腔粘膜上皮のタウ蛋白発現量を検討した。これまでの我々の検討で口腔粘膜上皮のタウ蛋白は蛋白レベルでは神経細胞由来のタウ蛋白と相同性をもち、その発現量はAD発症と相関が明らかにされている。今年度は口腔粘膜上皮のmRNAレベルにおけるタウ蛋白の発現様式を詳細に検討した。培養上皮細胞(ヒト由来ケラチノサイト)よりTotal RNAを抽出し、これをもとにRT-PCRを行った。考えられるすべてのタウmRNAを増幅する8種類のプライマーのうち、非神経細胞由来タウ蛋白が有する第6エクソンを含む第4エクソンから第7エクソンまでの産物(プライマーForward :5'-AAGAAGCAGGCATTGGAGA, Reverse :5'-AGAGCTGGGTGGTGTCTTTG)に着目し、得られた245塩基対と443塩基対の2種類の産物をdye-terminator cycle sequence法により塩基配列を解析した。短い産物は神経細胞の第4-5-7エクソンと100%の相同性を示し、長い産物波第4-5-6-7エクソンと97.3%の相同性を示したが、これまでに知られていない第4aエクソンが欠落したものであった。さらに第6エクソンに相当する部分には3箇所において、1塩基置換(SNPs)の存在の可能性が考えられた。これらの遺伝子多型は蛋白構造に直接関与するため、AD発症に関与する可能性も予想されるが、現時点ではこれらの遺伝子多型の頻度や機能は不明である。以上より、口腔粘膜上皮に発現するタウは神経細胞と共通のものがみられ、ADの非侵襲的診断に有用であることが示唆され、ADの発症予防・治療に大きく貢献できるものと考えられた。 以上の結果の一部を第45回日本老年医学会学術総会(2003年6月名古屋)において発表した。
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