研究課題/領域番号 |
14570979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本田 繁則 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303959)
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研究分担者 |
白鹿 正通 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
冨山 佳昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | インテグリン / αVβ3 / リガンド結合機能 / 細胞機能抑制効果 / αvβ3 |
研究概要 |
インテグリンαvβ3あるいはαvβ5は血管構成細胞や腫瘍細胞に発現しており、血管新生、止血栓形成、腫瘍細胞の増殖・浸潤・転移に重要な分子と考えられている。本研究ではαv鎖の新規機能部位を同定すると共に機能を欠損したαvインテグリンが誘導する細胞機能抑制機構を解析することにより血管構成細胞や腫瘍細胞の制御方法の開発を目指している。 【αv鎖におけるリガンド結合部位の解析】 我々はすでにαv鎖内のTyr178がリガンド結合に必須の残基であることを明らかにしている。最近、環状RGDfVペプチドとαvβ3の結晶構造解析が報告され、RGDfVのArg側鎖がαv鎖内のTyr178に加え、複数の残基と近接していることが示された。しかしながら,これらの残基のリガンド結合能への影響に関しては不明であり、Arg側鎖と近接する3本のループの構成残基に関して系統的にAla置換し、リガンド結合機能への影響につき検討した。これにより、Tyr178に加え、新たにAsp218がリガンド結合に必須の残基であることが明らかとなった。一方、結晶構造解析においてリガンドと塩橋結合すると考えられたAsp150はAla置換により塩橋結合を破壊した状態においてもリガンド結合能を保持していた。また、興味あることにTyr178と立体構造上、対面に位置し、リガンドと近接するAla215を芳香族残基のTyrあるいはPheに置換すると、リガンド結合能が増加した。さらに、Tyr178を他の芳香族残基、Pheに置換してもリガンド結合能は低下せず、TyrのOH基ではなくベンゼン環がリガンド結合に関与(cation-π interaction)していると考えられた。 【機能欠損インテグリンにより誘導される細胞機能抑制効果の解析】 機能欠損αv鎖(Tyr178Alaαv)の過剰発現は親株細胞(野生型αvβ3を発現させた293T細胞)細胞接着機能を抑制した。このドミナントネガティブ効果誘導のメカニズムを解析するために、αv鎖の細胞内領域を削除した変異体および細胞外領域をCD25に置換した変異体を作製した。さらに、β3鎖の細胞外領域をCD25に置換したキメラ蛋白を作製した。αvの細胞内領域を有するCD25(CD25/cyto αv)あるいはβ3の細胞内領域を有するCD25(CD25/cyto β3)の過剰発現は同量のempty vectorをトランスフェクションした時に比して、細胞接着機能の抑制効果を示したが、その程度はCD25/cyto β3でより強く認められた。これらの成績は、リガンド類似抗体でモニターした内因性αvβ3の発現量に明らかな低下を認めなかったことから、Tyr178Alaαvβ3が誘導する細胞接着抑制効果は両鎖の細胞内領域が関与していると推察された。
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