研究概要 |
Spectral karyotyping(SKY)法を用いて骨髄異形成症候群(MDS)あるいは急性骨髄性白血病58例の染色体異常を解析した.第5染色体の長腕と第20染色体長腕の欠失(5q-と20q-)を,各々17例(25%)と6例に検出した.17p11-q11.2を切断点とし17pの欠失をともなう不均衡転座を9例に認めた.転座相手は,5q11.2が2例,2q33,3q21,11p11,11q13,14q11.2,21q22,22q11を各1例に認めた.5qの17例中11例は5qの欠失をともなう不均衡転座であり,このうち,5q11.2を切断点とする症例は7例(41%)であり,5q13-14が3例(18%),5q31が1例(6%)であった.5q11.2転座の相手染色体は,15q11.2が2例,17p11が2例,no.9,no.12,no.13が各1例であった.5q13-14の相手染色体はno,4が2例,no.12が1例である.5q31の相手染色体はno.13である.5q-の残りの6例は,腕内欠失であり,de1(5)(q11.2q13.1),de1(5)(q11.2q33),de1(5)(q11.2q15),de1(5)(q13q33),de1(5)(q13q31),de1(5)(q22q35)であった.20q-の6例中2例は相互転座であり,t(17;20)(p11;q11)とt(20;22)(q11;q11)であった.次に,MDSの樹立細胞株MDS-1で認められたder(5)t(5;19)を,5qcenから5q11.2にマップされたBACクローンで解析し,切断点をno.5のセントロメアにあることを同定した. SKY解析によって,der(5)t(5;15)(q11.2;q11.2)とder(5)t(5;17)(q11.2;p11)を,MDSに特異的な染色体転座として同定した,
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