研究課題/領域番号 |
14571001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70107762)
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研究分担者 |
滝澤 剛則 愛知県心身障害者コロニー研究所, 室長 (40192158)
小泉 勤 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40126579)
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70221207)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 溶血性貧血 / 赤血球 / 遺伝子変異 / ハプロタイプ / 遺伝性非球状性溶血性貧血 / 赤血球酵素異常症 / ピリミジン-5'-ヌクレオチダーゼ異常症 / トランスジェニックマウス / インフルエンザウイルス / 免疫応答 / 変異酵素 / ミスセンス変異 |
研究概要 |
われわれは平成14-15年度の2年間に原因不明の遺伝性非球状性溶血性貧血73症例を検索し、ピルビン酸キナーゼ異常症5例、グルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症10例、アデニル酸キナーゼ異常症1例、ビリミジン-5'-ヌクレオチダーゼ(P5N-I)異常症1例と4種17例の赤血球酵素異常症を診断した。 日本人P5N異常症9家系について遺伝子解析を行い、2種のミスセンス変異、エクソンスキッピングによる30アミノ酸欠失、1塩基挿入によるフレームシフト変異、並びに9塩基欠失による3アミノ酸欠失の5種の新規変異を同定した。ミスセンス変異の一種5家系は全て九州地方で同定され、ハプロタイプが一致していることからファウンダー変異であることが強く示唆された。 ミスセンス変異を有するP5N-IをCos-7細胞で発現し、細胞内での安定性について検討したところ、変異酵素L124Pは活性およびタンパク量が共に対照の約20%程度に低下しており、タンパクの不安定性が同定された。キネティクス異常を有する変異酵素G241Rは細胞内で対照と両様に安定であり、病因は酵素の質的異常によることが明らかになった。 赤血球以外の組織でのP5N-Iの生理的意義について検討する目的でP5N-Iをubiquitousに過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。トランスジーンの発現は肝、腎に検出したが、発現量は肝、腎共に内在性遺伝子産物の2倍以下であった。現在、肝・腎に対する影響を検討中である。 P5N-Iはα-インターフェロンにより誘導され、またHIVやSLEなどの患者リンパ球で発現が増加していることから、免疫応答において何らかの役割を果たしていると予想される。しかしながら、培養細胞を用いたインフルエンザウイルス感染に対する影響は顕著には認められず、今後慢性ウイルス感染に対する影響を検討する予定である。
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