研究課題/領域番号 |
14571017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
矢尾板 永信 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00157950)
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研究分担者 |
吉田 豊 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40182795)
山本 格 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30092737)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 腎臓 / 糸球体 / 足細胞 / 傷害 / コネキシン43 / ギャップ結合 / 培養細胞 / CAR / ピューロマイシン / コミュニケーション |
研究概要 |
糸球体濾過の調節、糸球体病変形成機序など生理学的・病理学的に重要な糸球体上皮細胞(足細胞)の役割を理解するためには、足細胞間にどのような相互作用が存在するのかを解明する必要がある。本研究では、ギャップ結合の構成分子であるコネキシン43(Cx43)を中心に解析を進めた。足細胞傷害モデルであるラットpuromycin aminonucleoside(PAN)腎症において、Cx43の経時的変化をタンパク質レベル、mRNAレベルで検討した。免疫電顕での観察により、PAN投与後足細胞に特異的にCx43が増加することが示された。mRNAとタンパク質の検討からは、PAN投与後、Cx43発現とリン酸化の劇的な亢進が生じていることが明らかとなった。足細胞の初代培養にマイクロインジェクション装置でLucifer yellowを注入することによって、機能的なギャップ結合が足細胞間に存在することが確かめられた。ヒトの足細胞間にはCx43が生理的状態でラットより多く存在しており、発生学的にみるとCx43の足細胞での発現は足細胞の分化に応じて多くなることが明らかとなった。また、ギャップ結合が形成されるためには細胞同士を接着させるための他の結合が必要である。カドヘリン・カテニン系は観察されず、これ以外の接着分子が予想されていた。ギャップ結合に近接して存在するタイト結合の構成成分としてイムノグロブリン・スーパーファミリーに属する細胞接着に関わるCoxsackie virus and adenovirus receptor(CAR)が存在していることを示すことができた。 以上の結果は、足細胞間にギャップ結合が存在し、足細胞傷害時にこの結合が増加することを示している。すなわち、足細胞は傷害時にギャップ結合を介して合胞体的な振る舞いをする可能性が示された。
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