研究課題/領域番号 |
14571039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60266690)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Bmp / mutants / glomerulus / nephrin / noggin / mutans / Glomerulus |
研究概要 |
Bmp4のヘテロ型ノックアウトマウスの解析結果より、BMP4は腎の初期発生だけではなく、糸球体を中心とするネフロン形成にも重要である可能性が示唆された。本研究ではBMP4の糸球体形態形成の作用機構を明らかにする目的で、発生段階にある糸球体でのみBMP4の機能を抑制したtransgenic mouseの作成とその解析を行った。まず糸球体上皮細胞に発現をtargetするelementが存在することが確認されているnephrin遺伝子の5'近接領域にBMP4のendogenousなinhibitorであるnoggin遺伝子を連結しtransgenic mouseを作成した。生後60日においてheminephrectomyによって腎組織を得、組織解析を行ったところ、約8割のマウスにて糸球体上皮細胞特異的なnogginの発現が確認された。さらにnogginの発現レベルが比較的強い約3割のマウスにおいてはBmp4+/-に非常によく類似した糸球体形態異常が観察された。この形態異常は未熟な血管係蹄を有するボーマン嚢の拡張であり、さらに異常糸球体に所属する尿細管が欠如する事が明らかとなった。胎生期をさかのぼって解析したところ、出生時の糸球体は血管係蹄の未熟性と糸球体上皮細胞の剥離・脱落が特徴的であり、ボーマン嚢側の上皮が糸球体上皮細胞の形態を示し、糸球体上皮細胞特異的な各種分子マーカーを発現した。特にVEGFの発現が強くみられ、これと関連してボーマン嚢周囲に異常な毛細血管の形成をみた。胎生期16.5日では糸球体上皮細胞の形態形成自体は保たれているものの、そこへのメサンギウム細胞を中心とする血管係蹄の嵌入が不良であり、一部の糸球体にmicroanurysma様の変化が認められた。以上の結果から糸球体上皮細胞に発現するBmp4は糸球体血管係蹄の形成に関与することが示唆された。
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