研究課題/領域番号 |
14571040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
宇都宮 保典 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70231181)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 骨髄幹細胞 / 腎前駆幹細胞 / 腎間質繊維化 / p27 / PCNA / 組織修復 / メサンギウム細胞 / 組織幹細胞 / 腎前駆細胞 / 腎間質線維化 / 尿細管上皮細胞 / 尿細管肥大 / 細胞周期 / 間質障害 / 骨髄細胞 / スカベンジャー受容体 / 泡沫化細胞 / 骨髄移植 / 再生医療 / IgA腎症 / 糸球体 |
研究概要 |
1.骨髄幹細胞による腎構成細胞の再構築に関する検討 今回、骨髄細胞により腎構成細胞が再構築されうるか検討するため、GFP transgenicマウスとB6マウス間での骨髄移植を行った。その結果、骨髄移植後4週より糸球体、糸球体周囲、腎間質および腎内血管内に明らかにドナー骨髄細胞由来のGFP陽性細胞を認めた。免疫染色の結果、[GFP→B6]マウスの糸球体内にはマクロファージ、T細胞の浸潤を示唆する所見はなく、デスミン陽性細胞にGFPが陽性であったことより、B6レシピエントマウスにおいてメサンギウム細胞はGFPドナー骨髄細胞により再構築されることが示唆された。さらに、骨髄移植後24週時に、[GFP→B6]マウスの糸球体を単離培養したところ抗培養細胞の大半がデスミン陽性細胞であり、デスミン陽性細胞の約60%にGFPの発現を認めた。つぎに培養細胞のAngII刺激に対する反応性を検討したところ、AII負荷10分後に培養細胞は収縮性を示し[GFP→B6]マウスより分離培養されたGFP陽性細胞がメサンギウム細胞であることが確証された。 2.糖尿病性腎症(DMN)における腎障害進展機序と腎前駆幹細胞による組織修復への関与 DMNにおける腎障害進展機序を解明する目的でDMNマウスに片側尿管結紮(UUO)術を行い検討した。その結果、+m/+mマウスではUUO後8日目には近位尿細管細胞(PTC)におけるp27の発現は低下したのに対し、db/dbマウスではUUO腎PTCにおけるp27の発現が遷延していた。さらにdb/dbマウスのUUO腎では間質内炎症細胞、線維化が軽度であった。つぎにCD133陽性腎前駆幹細胞を検討した結果、非UUO腎間質内ではPTC周辺にCD133陽性細胞を認めたが、UUO腎間質内にはその存在は消失していた。 以上より、DMNでは高糖に伴う特異的な尿細管間質反応性を示すこと、さらにUUO腎間質では間質炎症線維化により腎前駆幹細胞が減少し尿細管間質障害の修復過程が障害されている可能性が考えられた。
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