研究課題/領域番号 |
14571041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
市田 公美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80183169)
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研究分担者 |
細山田 真 杏林大学, 医学部, 講師 (00291659)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 尿酸 / URAT1 / 腎性低尿酸血症 / SLC22A12 / ベンズブロマロン / プロベネシド / SLCA22A12 |
研究概要 |
尿酸は、尿細管で再吸収と分泌の両方向性に輸送が行われ、その輸送体の実体は明らかにされていなかった。今回、尿酸の再吸収に働くヒト腎臓尿酸トランスポーター(urate transporter : URAT1)をコードする遺伝子SLC22A12が同定された。URAT1は、膜12回貫通型のトランスポーターであり、腎臓に特異的に発現し、近位尿細管管腔側に局在していた。URAT1をXenopus leavisの卵母細胞に発現させた取り込み実験によるURAT1のミカエリス定数は、370μMであり、乳酸、ピラジンカルボン酸、ニコチン酸等の有機アニオンとの尿酸/アニオン交換輸送体であることが明らかになった。また、尿酸排泄促進作用を持つプロベネシドやベンズブロマロンによりURAT1の尿酸輸送は阻害され、尿酸再吸収亢進作用を持つピラジンカルボン酸の前負荷により尿酸の取り込みが増加することより、URAT1がこれら尿酸動態に影響を与える薬物の作用点であることも証明された。 腎臓における尿酸の動態異常の遺伝子疾患である腎性低尿酸血症は、URAT1が責任遺伝子の一つであることが考えられ、腎性低尿酸血症症例の解析を行った。腎性低尿酸血症患者32例中、30例にSLC22A12に異常を認めた。24例はホモ接合体または複合ヘテロ接合体で、6例はヘテロ接合体であった。ナンセンス変異であるG774A変異を、74.1%に認めた。ミスセンス変異は変異体を作成し、尿酸輸送能が消失または著しい低下を確認した。以上より、SLC22A12の異常による腎性低尿酸血症が腎性低尿酸血症のほとんどを占め、更にG774Aが多数を占めることを明らかにした。また、これらの事実と1mg/dl以下の低尿酸血症であることから、URAT1が腎臓における尿酸再吸収の主要なトランスポーターであり、血清尿酸値を規定していることが明らかになった。
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