研究概要 |
超音波断層法を用いてin vivoの状態でのヒト胎児消化管における運動機能の発達を検討した. 1)胃の蠕動波は,妊娠14週には超音波断層法にて成人と同じ,2〜3回/分の頻度で観察が可能になる.妊娠週数の進行に伴い蠕動波が群発し,妊娠24週以降,全例に群発が観察された.蠕動波群に一致して胃断面積の減少が認められた.蠕動波群の持続時間は次第に延長し,妊娠32週以降,約15分となった.また, 2)蠕動波群の出現する妊娠24週以降,断面積の変化率が有意に増大し,胃の収縮能力が増加することが示された. 3)妊娠12週の症例にgastric emptyingが観察され,gastric emptyingの開始時期がこれまで報告されてきた妊娠24週より早くに起こっていることが証明された. 4)離散フーリエ解析によりgastric emptying周期は,妊娠24週以前はlow powerで30〜100分に分散していたが,妊娠32〜35週に向けて約40分に収束していき,powerも増していくことが示された.
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