研究課題
基盤研究(C)
われわれは、平成14-15年度科学研究費補助により新生児の止血機構と血栓症発症の病態解明とその治療法に関する研究を行った。第1は、われわれの施設での新生児の播種性血管内凝固について後方視的に調査し、さらに、蛋白分解酵素阻害薬の治療効果について検討した。また、本邦における新生児の血栓症の発症頻度、病因、治療について調査を行った。第2に、トロンボエラストグラフ(TEG)を用いて新生児の血液凝固亢進機序の解析を研究した。次に、成人血を用い、新生児で見られる凝固亢進機序について検討した。凝固や血小板凝集を惹起しない程度の極めて微量のトロンビンやADPにより凝固亢進パターンをTEGで再現することできた。リコンビナント活性化第VII因子(VIIa)でも同様の凝固亢進パターンが見られた。そこで、この凝固亢進パターンへの各種抗血栓薬の効果について検討し、さらにVIIaの作用機序についても各種凝固因子や血小板数の影響について検討した。第3に、臍帯静脈血を用いてずり応力の影響を観察するため、ずり応力血小板凝集計を用いて研究した。その結果から、ecto-ATPaseの関与が疑われたため、臍帯静脈血中のecto-ATPase活性を測定したところ有意に存在が確認された。また、免疫組織学的検査法で臍帯静脈壁にecto-ATPase抗原の存在を確認した。第4に、臍帯静脈血を持ちいて高ずり応力下で損傷血管内皮下への血小板粘着に関与するフォン・ヴィルブランド因子(VWF)とその分子構造を制御するVWF分解酵素(VWP:CP)活性を測定した。その他、ずり応力の影響を考慮して、新生児用中心静脈カテーテルでの血栓形成への影響についても検討した。
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