研究課題/領域番号 |
14571058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90270834)
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研究分担者 |
竹内 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40260426)
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | CBP / PPAR-γ / MAPキナーゼ / コアクチベーター / PPAR / アンジオテンシンII |
研究概要 |
近年、MAPキナーゼやコアクチベーターであるCBPが動脈硬化を誘導する可能性が示唆されていることから、PPARγ依存性のアンジオテンシンIIタイプ1受容体(AT1R)遺伝子転写抑制に対するMAPキナーゼやCBPの作用を検討した。AT1R遺伝子プロモーター(-1969/+104-luc)の転写活性を血管平滑筋細胞(VSMC)へのトランスフェションにて検討したところ、PPARγリガンドPGJ_2の投与により活性は約30%まで抑制された。PPARγはMAPキナーゼによるリン酸化により活性が減弱することが知られているため、MAPキナーゼキナーゼの阻害剤であるPD98059を添加したところ、AT1R転写抑制の増強が認められた。同様の結果がmRNAレベルでも認められた。その一方で、p38キナーゼの阻害剤であるSB203580は影響を及ぼさなかった。抗PPARγ1抗体を用いたウエスタンブロット解析にて、PPARγ1と考えられる52kDaのバンドに加え、より大分子のバンドも検出された。両者とも抗PPARγ2抗体では検出されず、大分子のバンドはPD98059投与にて減弱したことから、MAPキナーゼによるリン酸化PPARγ1であると推定された。以上より、MAPキナーゼによるPPARγ1リン酸化のPD98059による抑制が、PPARγ1の活性化を誘導してAT1R転写抑制を増強させたものと考えられた。次に、-1969/+104-lucとCBP発現ベクターをco-トランスフェションしたところ、PGJ_2によるAT1R転写抑制はCBP用量依存性に解除された。Mutationを用いた実験から、その転写抑制の解除には、Sp1結合部位であるAT1R遺伝子-58/-34のGC-box様配列の存在が必須であることが明らかとなった。以上の結果より、CBPはDNA上のSp1の作用を増強することによりAT1R転写を上昇させる可能性が推定された。以上の結果から、MAPキナーゼとコアクチベーターCBPは、ともにAT1R遺伝子の発現を増強し、高血圧や動脈硬化の誘導に働く可能性が推定された。この研究結果はHypertens Res.2003;26:623-628に発表した。
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