研究課題/領域番号 |
14571062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00211871)
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研究分担者 |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (80252245)
大森 幸子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (20233273)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
舟橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Diminuto / ノックアウト / コレステロール / 線維芽細胞 / アポトーシス / インスリン / ステロイド / ミトコンドリア |
研究概要 |
我々は、Diminuto遺伝子を、コルチゾル産生副腎腺腫において発現が増大する遺伝子の一つとしてクローニングした。その発現が減弱している正常副腎組織では細胞のアポトーシスが認められた。この結果からDiminutoの発現がアポトーシスの抑制を介して腺腫の発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。最近、Diminutoが、コレステロール生合成系の最終段階Ianosterolからコレステロールへの合成を司る酵素の1つ3β-hydroxysterol-Δ24-reductase (DHCR24)であることが示された。したがって、Diminutoはコレステロール生合成系の酵素であるとともに、1細胞のアポトーシスにも関与する多機能蛋白質であることが示唆されるが、その機能の詳細は不明である。そこで、本研究ではDiminuto-/-マウス(dim-/-)の胎児繊維芽細胞(mouse embryonicfibroblasts, MEF)を用いて、Diminuto遺伝子の喪失が細胞の増殖やアポトーシスに及ぼす影響を検討した。dim+/-は正常に発育し交配可能であるが、dim-/-はそのほとんどが出生直後に死亡した。そこでdim+/-同士を交配し、胎齢14、15日の胎児から、野生型(wild type, WT)、ホモ(dim-/-)のMEFを作成した。10%FBS存在下ではWT-MEFとdim-/-MEFの増殖に顕著な差異を認めなかったが、血清非存在下では培養後9時間以内にdim-/-MEFにおいて細胞死の著明な増加が観察された。この細胞死はDNAの断片化を伴っており、血清除去がdim-/-MEFのアポトーシスを引き起こすことが示唆された。この血清除去によるアポトーシスは、インスリン添加あるいはcyclodextrinを用いたコレステロールの培養液中への添加により、抑制された。こうした結果から、血清除去により細胞外からのコレステロール供給が遮断されると、自身の生合成経路を持たないdim-/-MEFにおいては、細胞内のコレステロールが不足し、それに伴ってインスリン作用が減弱し、アポトーシスが誘導されると考えられた。現在このdim-/-MEFに見られたインスリン作用不全の分子機序を検討している。
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