研究課題/領域番号 |
14571067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 助手 (30315080)
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研究分担者 |
岡部 泰二郎 九州大学, 大学病院, 助手 (40264030)
後藤 公宣 九州大学, 大学病院, 助手 (90284512)
柳瀬 敏彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30239818)
名和田 新 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10038820)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アクチビン / Smad2 / 膵β細胞 / 遺伝子改変マウス / インスリン / Cre-loxP / ノックアウトマウス / Smad / アクチビン受容体 / ES細胞 |
研究概要 |
1)膵β細胞特異的Smad2ノックアウトマウスの開発:loxP配列を有するターゲティングベクターを作成、常法に従ってSmad2^<lox/+>ヘテロマウスを作成した。ラットインスリン遺伝子プロモーターを用いたCREトランスジェニックマウス(RIP-CRE)との交配を行ない、膵β細胞特異的Smad2ノックアウトマウス(Smad2βKO)を作製した。Smad2βKOマウスの膵ラ氏島よりRNAならびに蛋白を調整、それぞれ定量的RT-PCR法、western blot法にてSmad2発現がコントロールマウスの約10%に減少していることを確認した。糖負荷試験ではSmad2βKOマウスは糖尿病パターンを示し、インスリン分泌不全が見られることが明らかとなった。一方、空腹時血糖値は野生型に比べ低く、インスリン値は高い傾向がみられた。そこで、インスリン合成能をみるため、膵臓インスリン含有量を測定した。その結果、Smad2βKOでは膵臓のインスリン含有量は野生型の約2倍量含まれることが明らかとなった。次に病理組織学的検討を行ない、膵ラ氏島の肥大が見られたことより、Smad2遺伝子は膵β細胞におけるインスリン分泌・合成ならびに膵β細胞自身の増殖・維持に不可欠であることを明らかにした。 2)膵β細胞特異的アクチビン受容体トランスジェニックマウスの開発:[CAGプロモーター/loxP/EGFP/loxP/ActRIB cDNA/Iresbgeo]通常は目的とするcDNAの発現はなく、CREの発現により、loxPで挟まれたGFPカセットが除去され初めてcDNA発現をみとめるコンストラクトを構築。胚性幹細胞(ES細胞)に導入、トランスジェニックES細胞から常法にしたがってTGマウスを作製した。次にRIP-CREと交配し、膵β細胞特異的アクチビン受容体トランスジェニックマウスを作製した(ActRIBβTG)。ActRIBβTGはViableであり、生殖能力は正常、形態学的に明らかな異常は見られなかった。Smad2βKO同様に糖負荷試験において、耐糖能異常がみられ、グルコース応答性インスリン分泌が低下していた。その分子機序解明のため、ActRIBβTGから膵ラ氏島を単離し、電気生理学的検討を加えたところ、ATP感受性の低下が示された以上の結果から、アクチビン受容体/Smad2の膵β細胞機能分化における重要な役割が明らかとなり、今後の膵β細胞を用いた再生医療に不可欠に分子群であることが示唆された。
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