配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
1.COUP-TFI結合蛋白としてのPIAS1の同定 Yeast two-hybrid systemを用いて、COUP-TFI結合蛋白として、PIAS1(protein inhibitor of activated STAT1)の同定に成功した。Ubc9,PIASlは、各々、蛋白質のSUMO化におけるconjugating enzymeおよびligaseであり、この3者は細胞内で複合体を形成することが示された。 2.COUP-TFI-Ubc9-PIAS1複合体によるアルドステロン産生調節 免疫組織化学解析により、副腎皮質の球状層細胞においてUbc9,PIAS1はCOUP-TFIと共局在を認めた。そこで、ヒト副腎由来H295R細胞を用いて、アルドステロン合成酵素CYP11B2(-1521/+2)-luciferaseレポーター遺伝子を用いたtransient transfection assayを行った。すると、OUP-TFIはAd5部位(-129/-114)に特異的に結合して、同レポーター遺伝子の転写活性化にはたらくことが示された。さらに、Ubc9,PIAS1の共発現により、同転写活性が相乗的に増強された。 次に、Ubc9,PIAS1のsmall interference RNAを導入して、内因性のUbc9,PIAS1発現量を低下させると、COUP-TFIによる転写活性が約3060%減少を認めたことから、内因性のUbc9,PIAS1はCOUP-TFIのcoactivatorとして機能していることが示された。さらに、内因性CYP11B2遺伝子のAd5部位にUbc9,PIAS1,COUP-TFIが動員されていることがクロマチン免疫沈降法にて確認された。以上の結果から、COUP-TFIは副腎皮質におけるアルドステロン産生に重要な転写因子であり、SUMO化酵素Ubc9,PIAS1はCOUP-TFIによるアルドステロン産生を増強する新規coactivatorであることが示された。
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