研究課題/領域番号 |
14571084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
曽根 博仁 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30312846)
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研究分担者 |
島野 仁 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20251241)
豊島 秀男 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20197966)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | TCA回路 / 遺伝子改変動物 / ノックアウトマウス / クエン酸合成酵素 / グルコース負荷試験 / アセト酢酸 / インスリン抵抗性 / エネルギー代謝 |
研究概要 |
糖尿病を初めとするエネルギー代謝異常症に対する根本的解決策を探るためには、糖・脂質・タンパク代謝を含む最も基本的なエネルギー産生経路であり、極めて高いエネルギー産生効率を有するTCA回路の意義を再検討する必要がある。最も確実かつ効率的にTCA回路を阻害する標的として、回路開始点でアセチルCoAとオキサロ酢酸からクエン酸を産生する不可逆反応の律速酵素、クエン酸合成酵素(Citrate Synthetase ; CS)遺伝子を選択し、そのノックアウト(KO)マウスを作成した。 その結果ホモ欠損マウス(-/-)は胎生致死であることが確認された。ヘテロ欠損マウス(+/-)については、CS遺伝子発現は、RNA・タンパク・酵素活性の各レベルで+/+の約1/2であることが判明し、TCA回路の効率に大きな修飾が加わっていることが確認されたので、ヘテロ欠損マウス(+/-)と野生型(+/+)の比較を行った。 両者は、通常食飼育では生後一年間、生存率、体重・血圧・空腹時血糖・空腹時インスリン(IRI)値・血清脂質・肝機能・腎機能・基礎代謝量などに有意差を認めなかった。しかし+/-では安静時呼吸商が有意に低値、血中アセト酢酸値が有意に高値を示し、消費エネルギーに脂質の占める割合が相対的に高いことが示唆された。 2ヶ月の高糖高脂肪食飼育でも両者には体重差はなく、経静脈グルコース負荷試験(ivGTT)およびインスリン負荷試験時の血糖反応も両群間で有意差がなかったが、+/-は+/+と比較して、ivGTTにおける血中IRI値反応が著しく低いことが判明した(P<0.05)。すなわち+/-は、高エネルギー食負荷状態において、IRI分泌低反応にも関わらず、耐糖能自体は悪化していなかった。その機序については現在解析中であるが、糖代謝におけるTCA回路の意義解明や、過食下のインスリン抵抗性形成機序の解明に有用なモデルであると考えられた。
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