研究課題/領域番号 |
14571093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (20252447)
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研究分担者 |
荒井 秀典 京都大学, 医学研究科, 講師 (60232021)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / マクロファージ / 血管内皮細胞 / 骨髄由来血管前駆細胞 / 受容体チロシンキナーゼ / 血管傷害 / 血管再構築 / 粥状動脈硬化 / 骨髄幹細胞 / ノックアウトマウス / PDGF / MCS-F / 増殖因子 / サイトカイン |
研究概要 |
かねてより研究代表者らは、血管生物学における受容体型チロシンキナーゼを介する情報伝達に注目し、その機能遮断抗体をモデル動物に投与することによって、in vivoで動的な組織形成・再構築反応の解析を精力的に続けてきた。本研究期間においては、まず血管新生の場として腎糸球体の発生に着目し、マウス新生仔にPDGFβ受容体に対する拮抗抗体を投与すると、メサンギウム細胞や周皮細胞を介して糸球体血管内皮細胞のアポトーシスが惹起され、さらに糸球体の形成が阻害されることを発見した。 次に、血管傷害後の再構築病変における骨髄由来細胞の挙動を調べるため、GFPマウスの骨髄を移植したマウスの大腿動脈にポリエチレンカフを装着し、2週間後に組織を観察した。この病変には骨髄由来のマクロファージ・平滑筋細胞・血管内皮細胞が多数存在した。さらにこの実験系で抗体投与によりM-CSFとその受容体c-fmsの情報伝達を遮断すると、病変へのマクロファージの集簇は抑えられたが平滑筋細胞は増加した。他方PDGFとβ受容体のシグナル遮断では、血管再構築部位の平滑筋細胞が減少する一方でマクロファージが増加した。以上より、血管再構築過程では、1)骨髄由来細胞の動員と関与が顕著であること、さらに2)マクロファージと平滑筋細胞に分化運命を辿りうる少なくとも2種類の血管前駆細胞が相互に干渉しながら進行すること、が示された。また、免疫反応としての粥状動脈硬化を追究するため、高脂肪食を負荷したアポリポ蛋白欠失マウスにヒト免疫グロブリンを大量に投与すると粥腫形成とマクロファージの集簇が抑制されるが、F(ab')2投与ではこの効果はないことから、免疫グロブリンはFc部位とTリンパ球を介して動脈硬化を抑制することを明らかにした。
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