研究課題/領域番号 |
14571107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
塩井 淳 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
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研究分担者 |
城野 修一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336790)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ApoEノックアウトマウス / 動脈硬化 / 動脈石灰化 / オステオプロテジェリン / 冠動脈疾患 / 軟骨化生 |
研究概要 |
In vitroでの動脈硬化性石灰化モデルを用いて、炎症性メディエーターによる血管平滑筋細胞の石灰化能獲得と共にオステオプロテジェリン(OPG)の蛋白および遺伝子発現が低下することが示された。次に、apoEおよびOPGの遺伝子欠損マウスを用いた研究から、apoE(-/-)OPG(-/-)マウスにおける動脈硬化性石灰化病変は、apoE(-/-)OPG(+/+)マウスに比し有意に増加していたが、動脈硬化病変の形成には有意な差が認められなかった。血清生化学所見では、apoE(-/-)OPG(-/-)マウスにおける血清アルカリホスファターゼ(ALP)がapoE(-/-)OGP(+/+)マウスに比して著明な高値を示した。apoE(-/-)OPG(-/-)マウスでは著明な骨粗鬆症を発症することから、血清ALPの上昇は、OPG欠損による骨代謝回転の亢進によるものと考えられた。さらに、これらのマウス大動脈から血管平滑筋細胞(VSMC)における軟骨分化マーカー遺伝子の発現を解析したところ、apoE(-/-)OPG(-/-)マウス由来のVSMCにおいて2型および10型コラーゲン、Indian Hedgehogなどの遺伝子発現が、apoE(-/-)OGP(+/+)マウス由来のVSMCに比し有意に上昇していた。したがって、OPG遺伝子の欠損は動脈壁における軟骨化生を促進することにより、動脈硬化性石灰化病変の形成を促進する可能性が示唆された。最後に、臨床研究から、冠動脈硬化および冠動脈石灰化の程度と血清OPG濃度が有意に関連することが示された。以上より、動脈硬化性石灰化病変の発症・進展機構にOPGが重要な役割を果たしていることが明らかにされた。
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