研究課題/領域番号 |
14571145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 佐賀大学(医学部) |
研究代表者 |
中房 祐司 佐賀大学, 医学部, 助教授 (80253417)
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研究分担者 |
平野 達也 佐賀大学, 医学部, 助手 (60346880)
北島 吉彦 佐賀大学, 医学部, 講師 (30234256)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 慢性拒絶反応 / 大動脈移植 / 動脈硬化 / 虚血再灌流傷害 / 阻血時間 |
研究概要 |
今回の研究の目的は、慢性拒絶反応における免疫学的要因と非免疫学的要因と重要性を明らかにすることである。このためそれぞれの要因が明確に区別された実験モデルを作成し、関与する因子群の相対的役割の大きさを比較・検討した。 同所性ラット大動脈移植(LEW-WKA)を行い、移植後14日目にこの大動脈移植片をドナー系統(LEW)ラットに再移植した。これにより再移植後は組織適合性抗原の差に基づく免疫学的機序が排除された環境を作った。再移植後、4、8、12週目に大動脈移植片を摘出し、光顕的には再移植後も大動脈移植片の内膜肥厚と中膜非薄化の経時的な進行が認められた。したがって、免疫学的刺激が除去された再移植後も慢性拒絶反応の主病変である内膜肥厚と中膜非薄化が進行していくことが確認された。しかし、この病変の進行は再移植されない大動脈移植片の病変と比較して軽度であった。 また、再移植時の臓器保存時間を温阻血(0、10、30分)の別に変化させると阻血時間の長いほど病変の進行が著しいことが観察された。これにより、免疫学的刺激が除去された環境でも純粋に臓器保存時間の慢性拒絶反応病変進行に影響を与えることが示された。阻血時間の長い臓器が慢性拒絶反応に陥り易い原因は、虚血再灌流傷害が移植臓器の抗原性を高めるためではない可能性が示唆された。 主要組織適合性抗原の異なる同種ラット間大動脈移植を行い、2週後にドナー系統のレシピエントに再移植された移植片では徐々に進行する中膜菲薄化と内膜肥厚が確認され、温阻血時間という組織適合性抗原の差に基づく免疫学的機序以外の因子を再移植時に条件設定することにより、慢性拒絶反応血管病変への非免疫学的要因の関与の有無を定量的に調べることができた。この実験系は慢性拒絶反応の非免疫学的要因定量解析モデルとしてさまざまの因子の解析に用いることができると考えられる。
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