研究課題/領域番号 |
14571217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
篠田 憲幸 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80305549)
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研究分担者 |
藤井 義敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40156831)
桑原 義之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90225326)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Caspase3 / Apoptosis / XIAP / 抗癌剤治療 / VP16 / apotosis / apoptosis / 抗がん剤治療 |
研究概要 |
本研究は、P53が変異、失活した腫瘍細胞でのみCaspase3が活性化されるシステムを考案し、腫瘍選択性の抗腫瘍効果の向上を目的とした。まずcaspase3の発現ベクターをクローニングし、その発現を確認した。また。P53に変異のある腫瘍細胞株ではこのベクターによるCaspase3が発現しないことを確認した。またP53のbiding siteの下流にXIAP遺伝子を組み込み、正常細胞株でXIAPの発現が上昇し、変異型のP53をもつ大腸癌細胞株SW480では発現が上昇しないことを確認した.次にこれらのベクターを使って、正常細胞株および野生型P53をもつ癌細胞株にVP16存在下において、XIAPベクターとCaspase3発現ベクターを同時に導入してアポトーシスを回避できるかどうか確認した。アポトーシスの判定は、FACS解析を用い、subG1populationの増加で判定した。 結果は、ヒト皮膚正常細胞株NHDFにXIAPベクターとCaspase3ベクターを導入したところ、NHDFにはアポトーシスは誘導されなかった。しかしVP16存在下に変異型P53をもつ大腸癌細胞株SW480に両ベクターを導入したところ、4日後においてもアポトーシスは誘導されなかった。また。他の細胞株、DLD1、HCT116などに導入を試みたが、アポトーシスは誘導されなかった。これらの結果、個々のベクターはうまく発現していると思われるが、この二つの遺伝子のみでは腫瘍選択制にアポトーシスを誘導できなかった。原因は解明できていないが、XIAP以外の別のfactorの介入が候補として挙げられることと、XIAPのCaspase3の抑制との関係には、微妙な発現量の調節があるのかもしれない.今回のシステムでは、p53に変異を持つ細胞のみに、アポトーシスをひきおこすことができなかった。今後Caspase3によるアポトーシスのメカニズムがさらに明らかになれば、同じシステムを用いてXIAPから別の遺伝子へ変更、あるいは、発現量の微調節できるベクターへクローニングして、治療への道を検討したい。
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