研究課題/領域番号 |
14571223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (20142242)
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研究分担者 |
河村 裕 自治医科大学, 医学部, 講師 (80301109)
甲斐 敏弘 自治医科大学, 医学部, 講師 (40260830)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 大腸癌 / 正常粘膜 / 遺伝子変化 / Loss of imprinting / IGF-II |
研究概要 |
大腸癌症例の正常大腸粘膜におけるIGF-2遺伝子のLoss of Imprinting検索することにより、坦癌患者の背景粘膜における遺伝子異常の検討を行った。父性発現インプリンティング遺伝子であるIGF-2遺伝子の両アレル発現(loss of imprinting : LOI)は、大腸癌患者で正常人の約3〜5倍と高率に認められ、また、癌組織だけでなく正常粘膜部にもLOIが認められることから、大腸癌発生との関連が示唆されている。大腸癌手術症例260例を対象に、腫瘍部・正常粘膜部のIGF-2遺伝子LOIと臨床病理学的因子との関連を検討した。LOI検索はPCRを用いたApa-I制限酵素断片長多型解析により選択された両アレル識別可能症例で行い、RT-PCRを用いたApa-I制限酵素断片長解析によってLOIを判定した。対象症例260例中、両アレル識別可能症例は120例(46.2%)であった。腫瘍部[T]・正常粘膜部[N]におけるLOI陽性率はそれぞれ48.3%(57/118)、41.0%(48/117)であった。(1)平均年齢は、[T]で陽性群65.2±11.1歳、陰性群65.0±11.0歳であった(P=0.911)。(2)男女別[T]LOI陽性率は、男53.2%(41/77)、女39.0%(16/41)であった(P=0.177)。(3)腫瘍部位を右側・左側に分けた場合の[T]LOI陽性率は、右側56.1%(23/41)、左側44.2%(34/77)であった(p=0.249)。(4)癌症例での組織型別[T]LOI陽性率は、高分化型47.7%(42/88)、中分化型40.9%(9/22)、低分化型75.0%(3/4)、粘液癌75.0%(3/4)であった(P=0.427)。(5)MSI検索症例におけるMSI陽性率はLOI陽性群で17.1%(7/41)、陰性群で13.9%(5/36)であった(P=0.762)。LOI陽性大腸癌の背景正常粘膜のLOI陽性の頻度は、LOI陰性大腸癌の背景粘膜と比較して優位に効率であった(36/61 vs 13/59,p<0.001)。今回の結果から、LOI陽性大腸癌は男性・右側結腸症例・低分化型腺癌・粘液癌にやや多い可能性が考えられた。また、LOI陽性大腸癌の背景粘膜においては、効率にLOI陽性がみとめられ、背景粘膜に既に遺伝変化が生じている可能性が考えられた。
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