研究分担者 |
鈴木 俊之 東海大学, 医学部, 助手 (80276823)
石川 健二 東海大学, 医学部, 助手 (80287078)
向山 小百合 東海大学, 医学部, 助手 (10317795)
田中 洋一 東海大学, 医学部, 助手 (80338722)
徳永 信弘 東海大学, 医学部, 助手 (70256121)
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研究概要 |
私達はstageII, III結腸癌に対して,3週間5-FUを経肝動脈投与すると,肝転移再発が抑制されることを報告してきた.従って,私達はこの予防的な5-FUの肝動注治療を,再発高危険群の患者に適応したい,流血中の癌細胞の検出が,大腸癌の予後と関連するか否かについては多くの研究が報告されてきているが,結果はさまざまで一定の結論に達していない. 私達はまず100例の患者において,手術中採血した流血中の癌細胞の検出結果と予後の関連性を検討した.癌細胞の検出方法としては,CEAmRNA発現をRT-PCR方を用いて測定した.追跡期間は中央値で59ヶ月(range:49-74ヶ月)、手術中に採血した流血中の癌細胞の検出結果と予後に関連性は認められなかった.Fidlerは,マウスの尾静脈内に注射した癌細胞は,注射後7日目には流血中で検出されないことを報告している.そこで私達は,治癒切除後7-10日目に採血した血液中の癌細胞の存在は,信頼性のある予後予測因子になると考えた. stageIIあるいはstageIII患者201例において,治癒切除7-10日後に採血して,流血中のCEA mRNA発現と再発,予後との関連性を検討した.追跡期間は中央値で38ヶ月(range:22-56ヶ月).再発は48例(24%)に認められた.流血中のCEA mRNA発現は45例(22%)に認められた.再発はCEA mRNA発現陽性患者では17例(38%),CEA mRNA発現陰性患者では31例(20%)に認められ,陽性患者中では有意に高率であった.無病生存率および生存率は,CEA mRNA発現陰性患者は陽性患者に比較して,いずれも有意に良好であった(p=0.03,p=0.03) 現在これらの結果に基づきて,CEA mRNA用壊死社に予防的な5-FU肝動注を行い,追跡を行っている.
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