研究課題/領域番号 |
14571248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
志村 英生 福岡大学, 医学部, 助教授 (80178996)
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研究分担者 |
中村 浩 福岡大学, 医学部, 助手 (60309911)
松尾 勝一 福岡大学, 医学部, 助手 (60341442)
池田 靖洋 (池田 晴洋) 福岡大学, 医学部, 教授 (40038758)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 胆道癌 / 肝細胞増殖因子 / アンタゴニスト / アデノウイルス / 転移 / 創傷治癒 / ヒアルロン酸膜 / 遺伝子治療 / 膵胆道癌 / HGFアンタゴニスト / 創傷冶癒 / 高分子ゲル |
研究概要 |
1.手術や病勢の進行により障害を受けた腹膜には癌の播種や転移が生じやすい.この理由の一つに、傷害部には炎症を生じてHGFが発現することが考えられる.この部位は血管新生を含む創傷治癒の過程が進行し、炎症性細胞の集積と肉芽形成が起きる.マウスの腹膜に一定の創傷を作成して、同部への胆道癌転移発生を定量化して、HGFを中和し血管新生を抑えるアンタゴニストと高分子による接触遮断をつかった治療実験を行った. 2.傷害を受けた腹壁ではHGF発現が著明に上昇した.これは損傷部の腹膜中皮細胞が傷害部を覆い治癒する1週間後正常に戻った,HGFの由来細胞は組織染色では明らかではなかったが、炎症性細胞や線維芽細胞などが考えられた. 3.胆道癌細胞株GB-d1はHGF受容体を発現しており損傷部特異的な転移を起こす.癌性腹水由来胆道癌細胞では損傷部位のみならず腹膜全般に腫瘍が生じ、創傷部特異性を示さない. 4.損傷部転移を抑制するためヒアルロン酸膜、酸化セルロース膜で傷害部位を覆うと、転移が予防できた.ヒアルロン酸膜では腹膜損傷の修復は速やかでゲルも7日目には消失したが、酸化セルロース膜では腹膜の修復は遅く治癒も速やかではなかった.ヒアルロン酸自体の癌浸潤誘導能を調べると、癌の運動性は用量依存性に増強されたが、HGF存在下でも膜中への浸潤は起きず物理的な阻止が有効に作動していた. 5.HGFアンタゴニストHGF/NK4を組み込んだウイルスで腹膜の損傷部転移の阻止を試みると、癌転移を著明に阻止した.NK4を産生する細胞を調べると、癌細胞のみならず腹膜の中皮細胞が効率よく産生していた. 6.腹膜の創での血管新生を免疫組織学的に検討したが、感染非感染によらず血管新生は著明ではなく、ウイルスの投与により転移が抑制されるのは腫瘍血管抑制のよるとの結論は出なかった.
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