研究概要 |
【不全心における左室mechanical unloadingの虚血耐性に及ぽす影響について】 8週齢SDラットを全身麻酔、呼吸管理下に開胸し、冠動脈前下行枝を結紮することにより不全心を作成した。閉胸後2週間目に別のラット(レシピエント)を全身麻酔下に開腹。摘出心の大動脈とレシピエントの腹部大動脈、摘出心の肺動脈とレシピエントの下大静脈をそれぞれ吻合し、左室unloadingを2週間行った。終了後、心臓を摘出。Langendorff冠灌流下に、30分の全虚血、60分の再灌流を行い、血行動態、再灌流後の心筋梗塞範囲を測定した。その結果、左室unloadingによる不全心の虚血耐性の改善が認められた。 【心筋梗塞後の細胞周期制御蛋白の変動について】 8週齢SDラットの冠動脈前下行枝を結紮することにより不全心を作成した。冠動脈前下行枝を結紮した心臓を3日、1週間、2週間、4週間後にそれぞれ摘出し、RT-PCR法にてcyclin D1,cyclin D2,cyclin D3,Cdk2,Cdk4,Cdk6,PCNA mRNAの経時的変化を測定した。その結果、8週齢ラットでは心筋梗塞後3日目にPCNA、CDK4mRNAが有意に上昇し、1週間後に一旦下降し、2週間後に再度ピーク値を示した。 【心筋梗塞後細胞周期制御蛋白発現.に及ぼす加齢の影響について】 40週齢SDラットの冠動脈前下行枝を結紮することにより不全心を作成した。上記と同様に冠動脈前下行枝を結紮した心臓を3日、1週間、2週間、4週間後にそれぞれ摘出し、RT-PCR法にてcyciin D1,cyclin D2,cyclin D3,Cdk2,Cdk4,Cdk6,PCNAmRNAの経時的変化を測定した。その結果、40週齢ラットにおいては上記細胞周期制御蛋白mRNAの経時的変化は認められなかった。
|