研究課題/領域番号 |
14571296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
溝井 和夫 秋田大学, 医学部, 教授 (70157519)
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研究分担者 |
笹嶋 寿郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40235289)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 言語機能マッピング / 脳磁図 / PET / fMRI / 脳腫瘍 / 言語機能 / 言語タスク |
研究概要 |
本研究の目的は、1)脳磁図、PET、fMRIによる言語機能マッピング法の総合的解析を行うとともに、2)Broca野近傍の脳腫瘍症例について運動性言語野の局在、機能障害の程度を測定し、最適な治療計画と治療成績の質的向上を図ることである。健常者を対象としてfMRI、脳磁図による言語野の検討を行った。言語タスクはverb generation taskを用いた。fMRIでは右利き20例中、19例では左半球にBroca野が同定されたが、1例のみ右半球に推定された。MEGによる言語野の検討も同様の言語タスクを用いて行った。Neuromag社製全頭型204チャンネル脳磁計を用いて、dipole法によってECDを推定した。視覚言語提示による誘発脳磁界計測では左前頭部に誘発反応が観察されるが、各波のECD解析では、必ずしもBroca野に限局していなかった。経時的に多方向性に情報が伝播する言語処理過程が観察されるためと考えられた。 次に、脳腫瘍症例について脳磁図、PET、fMRIを用いて脳賦活測定による言語野の局在、機能障害の程度を測定した。対象はグリオーマ症例6例で、全例、左前頭葉Broca野近傍に腫瘍は局在していた。6例全例において、左下前頭回(4例)ないし中前頭回(2例)にBroca野と推定される賦活領域が認められた。これらの計測結果を基に、ニューロナビゲーションシステムを用いて摘出術を行った。術前より言語障害が出現していた3例はいずれも術後に症状は改善した。術前に言語障害を呈していなかった3例中2例は術後も無症状であった。1例が一過性の運動性失語を呈したが、約10日間で症状は消失した。術後にも術前と同様の言語機能マッピングを施行したが、全例でBroca野は温存されていることが客観的に示された。本研究により、術前の言語機能の測定は手術適応、摘出範囲の決定など最適な治療計画の設定や手術侵襲の程度の把握に有用であることが示された。
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