研究課題/領域番号 |
14571312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 恭裕 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40294409)
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研究分担者 |
小野 成紀 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40335625)
徳永 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40294467)
杉生 憲志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40325105)
富田 享 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90237115)
田宮 隆 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50252953)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 遺伝子治療 / 神経幹細胞 / ウイルスベクター |
研究概要 |
我々は遺伝子導入効率の高いアデノウィルスをベクターとしてHSV-tkやcytosine deaminase遺伝子などの薬剤変換酵素遺伝子を用いた悪性脳腫瘍遺伝子治療の基礎研究を行ってきた。これらの治療法の有効性や副作用については、動物脳腫瘍モデルを用いて研究を行い、その成果を学会および雑誌で発表してきた。本研究では、治療後の再発の原因となる浸潤脳腫瘍細胞をより選択的かつ効率的に殺傷することを目標として、神経幹細胞を用いた新しい遺伝子治療の可能性について検討した。まず実験に用いる幹細胞として、神経幹細胞と骨髄幹細胞を用いて培養実験を行った。神経幹細胞に比べ骨髄幹細胞は採取・培養が容易であり、骨髄幹細胞も神経、グリアに分化する能力を持っていた。動物脳腫瘍モデルにおいては、神経幹細胞または骨髄幹細胞を、腫瘍内あるいは腫瘍外に移植すると、腫瘍内に拡散し、腫瘍の辺縁へ向かって腫瘍細胞を追尾することを確認した。幹細胞への遺伝子導入にはアデノウィルスを利用したが、遺伝子の導入効率を挙げるために、その他のウィルスベクターについても検討中である。ウィルスベクターによりHSV-tkやcytosine deaminase遺伝子などの薬剤変換酵素遺伝子を導入した幹細胞の治療効果をみるために、遺伝子導入幹細胞を腫瘍細胞と混合して培養細胞にprodrugを投与したところ、強いbystander effectによる抗腫瘍効果を認めた。そして遺伝子導入幹細胞を動物腫瘍モデルに注入する実験では、遺伝子導入幹細胞が、腫瘍細胞を追尾することは確認されたが、十分な治療効果を得るには相当数の幹細胞の移植が必用と考えられた。この点については、幹細胞の増殖速度を増すようp21の発現をribozymeにより抑制した幹細胞を作成し、その治療効果について検討中である。
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