研究概要 |
ネンブタール静脈麻酔下に、8週齢の雄の日本白色家兎から精巣を摘出した。10,15,20,25週で安楽死させた。すなわち精巣摘出-屠殺時期で,8-10,8-15,8-20,8-25週群の4グループを作った。またコントロールとして、10,15,20,25週齢の正常なウサギのグループを作った。屠殺時に採血し、テストステロン濃度が、精巣摘出群では、検出閾値(0.1ng/ml)以下であることを確認した。大腿骨頚部の成長軟骨板を観察するため、脱灰、パラフィン包埋後、2.5μmの薄切スライドを作成し、HE染色、PCNA、Caspase-3、Osteopontinなどの免疫染色を行った。精巣摘出群では、成長軟骨板の高さが減少し、増殖細胞層の柱状構造が正常家兎より早く乱れ、また増殖細胞層の軟骨細胞の形状が肥大化する傾向がみられた。また、免疫染色からは精巣摘出によって軟骨細胞の増殖能の低下、細胞死が増加する傾向がみられた。 次いで、in vitroで軟骨細胞に対する性ホルモン負荷に対する影響を知るため、軟骨細胞の分離培養を行った.胎生17日の鶏の胸骨を摘出し、HE染色で頭側1/4が肥大細胞で、尾側1/2が非肥大細胞で構成されていることを確認した。胸骨の頭側5mm尾側8mmを採取し、Gerstenfeldらの方法に準じて培養した。培養した細胞からRNAを抽出し、reversetranscription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法を行った。頭側の軟骨細胞ではX型コラーゲンを、尾側はII型コラーゲンを産生していた。すなわち、mRNAレベルで、前者が成熟した肥大細胞、後者が未熟な非肥大細胞であることが確認された。この培養系を用いて、性ホルモンの負荷実験を行った。テストステロン、エストロゲンを10-10,10-9,10-8,10-7,10-6mol/lの濃度勾配をつけ負荷した。APL活性、増殖能、細胞死、コラーゲンII、XなどのmRNA発現の変化を観察した。テストステロンでは、細胞増殖能の増加、エストロゲンでは、細胞死が増加する傾向がみられた
|