研究課題/領域番号 |
14571376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中山 富貴 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335273)
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研究分担者 |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 骨肉腫 / 間葉系幹細胞 / ras遺伝子 / vasシグナル |
研究概要 |
ヒト間葉系幹細胞(BioWhittaker社)にレトロウイルスベクターを用いてBmi1遺伝子、テロメラーゼ遺伝子を導入し不死化した細胞株hMSC-Bmi1-hTを得た。この細胞は培養系で骨、軟骨、脂肪細胞への分化誘導に反応する多分化能を有し間葉系幹細胞の性質を保持していたが、細胞培養系において接触阻害を示し、造腫瘍性は示さなかった。この細胞を骨肉腫の前駆細胞と想定し、細胞に活性化H-ras遺伝子を導入し形質転換を試みた。導入した細胞hMSC-Bmi1-hT/rasは低血清培地下で旺盛な増殖能を示し、免疫不全動物の皮下、骨内で腫瘍を形成し最終的には宿主個体を死に至らした。このことから導入細胞は造腫瘍性、悪性形質を獲得したと考えられた。これによりrasシグナルが間葉系細胞の癌化、悪性形質転換に関与している事が示唆されたが、形成された腫瘍は骨肉腫の組織像の特徴である骨・類骨の形成を示さず未分化肉腫の組織像を呈した。次に不死化間葉系幹細胞を培養系で骨分化に誘導した後、同様にrasによる形質転換を行った。造腫瘍性は獲得したがやはり形成された腫瘍内に骨基質の形成は認められず、また腫瘍から得られた細胞株のいずれにおいても骨分化形質に特徴的な遺伝子発現は認められなかった。以上の研究からヒト骨肉腫類似の性質を持つ細胞への形質転換は再現できなかったが、癌腫におけるのと同様、間葉系幹細胞から肉腫への造腫瘍性、悪性形質の獲得にもrasシグナルが関与している事が示された。
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