研究課題/領域番号 |
14571417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
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研究分担者 |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
田中 誠 秋田大学, 医学部, 助教授 (50236634)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 脳虚血 / 脳保護 / デキサメデトメジン / リドカイン / α_2アゴニスト |
研究概要 |
背景:α2アドレナリン受容体作動薬(α2アゴニスト)は、脳虚血に伴う脳内エピネフリン濃度の上昇を抑制し、また、局所麻酔薬のリドカインはフリーラジカルの産生の抑制や興奮性アミノ酸などの遊離抑制によって脳保護効果を示すとされている。今研究では、ラットの一過性前脳虚血モデルを用いて、デキサメデトメジンとリドカインの併用投与による脳保護効果を検討した。 方法:ハロタン麻酔、調節呼吸下の雄SDラットを用いて、尾動脈(血圧測定、採血用)、右頸静脈(脱血用)にカテーテルを留置し、頭皮に脳波電極、側頭筋に体温プローブを挿入した。ラットを1:対照群(生食1ml/kg)、2:デキサメデトメジン群(3μg/kg)、3:リドカイン群(10mg/kg)、4:デキサメデトメジン+リドカイン群(デキサメデトメジン3μg/kg、リドカイン10mg/kg)の各群(n=8)に分け、薬物を脳虚血30分前と、再灌流後3、24、48時間後に皮下投与した。前脳虚血は脱血と総頚動脈の閉塞により作製し平坦脳波により確認した。脳虚血を10分間維持後、再灌流をおこなった。1)麻酔から覚醒し、神経学的検査を、再灌流後24時間、48時間、7日後におこない、7日後に脳を灌流固定してHE染色を用いて組織学的評価を、海馬、大脳皮質、線状体で行った。2)マイクロダイアリーシスのプローブを海馬に挿入し、虚血前後のノルエピネフリン、グルタミン酸の濃度を測定した。 結果:生食投与ラットに比べ、デキサメデトメジンとリドカインの併用投与ラットでは24、48時間後の神経学的所見の欠落が少なく、CA1領域での虚血細胞数の割合が少なかった。しかし、併用投与群と単独投与群で差はなかった。脳虚血時のグルタミン酸の産生は上昇したが併用投与による減少はみられず、ノルエピネフリンの濃度も併用投与による差はなかった。 結論:一過性前脳虚血に対するデキサメデトメジンとリドカインの併用投与は、単独投与に比べて神経学的欠落が少ないが、虚血細胞数の割合に変化なく、その機序としてはグルタミン酸やエピネフリン濃度の関与は低いことが示唆された。
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