研究概要 |
本年度は前年度までに作成した筋弛緩モニターの試作器2器のうち,試作器B(約5cm長で3cm径と2cm径の2本のアルミパイプを約70度の角度で固定したもので,この2本のパイプの中に小児用血庄カフを巻いた母指と示指を挿入して固定する型)を用いた場合,収縮力と血圧計の読みが,0〜200mmHgの間でほぼ直線になったので,これを基本型とすることにした.ただし,初期加重が80mmHg必要で,これを持続的に母指に付加することは,手指の血流障害を起こす可能性があるため,小児用血圧カフを3cm長にカットしたものを用いることにした. これにより,母指内転筋の収縮力を100g重から1,500g重まで正確にポリグラフ上にトレースすることができ,前年度製作したプログラムによりポリグラフからコンピュータに搬送して記録することができた.臨床への応用は,倫理委員会への提出が遅れたため行うことができなかった.代わりに、神経筋接合部に異常を有する患者のスクリーニングに役立つシミュレーションプログラムを作成した。このプログラムを用いれば、正常患者であれば、筋弛緩薬のあらゆる投与形態に対応して、筋弛緩状態の経時変化をシミュレーションすることができる。
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