研究概要 |
オピオイドレセプターと排尿に関する実験 オピオイドレセプターが排尿に関与する事は広く知られているが、脳内のオピオイドレセプターが脳硬塞後の排尿反射昂進にどのように関与しているかの知見はない。今回、SDラットに脳硬塞を作成し、μ。δ1、δ2、κの4種類のオピオイドレセプターアゴニストを脳室内に投与し、排尿反射に関する薬理学的検討を行った。結果、μ受容体、δ1受容体アゴニストの投与では脳梗塞群、対群共に排尿反射を同等に抑制した。δ2受容体アゴニストの投与では、脳梗塞、対照群共に変化なかった。κ受容体アゴニストの投与にて、脳梗塞群にのみ排尿反射の抑制が用量依存的に認められた。以上より、脳内κ受容体が脳梗塞に伴う排尿反射昂進に関与している可能性が高い。 ラット脳内ムスカリン受容体サブタイプの排尿反射に対する機能的役割について,我々はラット排尿反射におけるムスカリン受容体サブタイプの役割につき検討した. 【方法】無麻酔SD種雌性ラット(250gr-300)に膀胱瘻より生理食塩水をinfusion pumpにて0.04ml/min.の速体拮抗薬p-Fluorohexahydro-sila-difenidol hydrochloride, M4受容体拮抗薬Muscarinic Toxin-3を用いた.膀胱内圧のパラメーターとして,膀胱容量,残尿量,最大膀胱収縮圧などを採用した.結果:各種選択的ムスカリン受容体拮抗薬は膀胱容量を増大させ,最大膀胱収縮圧を減少させる傾向にあった. 【考察】脳内排尿経路に対してムスカリン受容体拮抗薬はおおむね求心路,遠心路共に抑制性に作用すると考えられた.
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