研究課題/領域番号 |
14571503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
笠原 高太郎 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (80315001)
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研究分担者 |
山崎 一郎 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (40315015)
井上 啓史 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (00294827)
執印 太郎 高知大学, 医学部, 助手 (80179019)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 細胞形態変化 / 細胞骨格 / マイクロアレイ / 温度感受性 / 腎細胞癌 / VHL遺伝子 / ストレス蛋白 |
研究概要 |
1.細胞形態変化と細胞骨格 wild-type VHL株で、細胞は、有意にフラットな形状となり、フラスコとの接着面には、有意に多数の接着斑が形成されていた。また、これに連結するアクチンファイバーは、親株に対して有意に多く、また、太いファイバーが形成されていた。細胞内に存在するビンクリンの発現量には変化がなかったが、接着斑に存在するビンクリンの蛋白量は増加しており、ビンクリンの細胞内局在が変化し、active formが増加したものと考えられた。それに伴う細胞接着力の増加は、細胞形態の維持に影響を及ぼすものと考えられた。 2.マイクロアレイ wild-type VHL株とその親株を用い、マイクロアレイにて遺伝子発現について検討した。wild-type VHL株での、カルポニン発現の減少は、細胞内ミオシンのアクチンとの結合を低下させて、細胞運動能力を低下させるものと考えられ、臨床的には、癌細胞のmalignant potentialを低下させているとも考えられた。 3.温度感受性 wild-type VHL株、及びその親株を用いて、42℃で培養した後、細胞増殖曲線を比較した。培養後48時間で、親株はwild-type VHL株に比べて、有意に細胞数は減少していた。同様に、45℃で培養した場合、細胞は24時間でほとんど死滅したが、seeding後16時間までで、細胞数に有意差が見られ、wild-type VHL株は、親株に比べて強い温度耐性を獲得したと考えられた。しかし、フローサイトメーターでのアポトーシス細胞数には有意差は見られなかった。高温度負荷した細胞のアクチンの形態については、親株では、アクチンファイバーの構造は、ほとんどの細胞で破壊され、ドット状の構造物として確認された。一方、wild-type VHL株では、アクチンファイバーの構造は、比較的保たれていた。親株では、温度負荷によってアクチンの分解が進み、細胞形態の変化が起こっており、wild-type VHL株では、VHL蛋白が何らかの形で、アクチンファイバーの分解あるいは変性を阻害し、高温度耐性を獲得しているものと考えられた。
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