研究課題/領域番号 |
14571574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90213595)
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研究分担者 |
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00295346)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 黄体 / 卵巣過剰刺激症候群 / 血管透過性 / vascular endothelial growth factor / tight junction / claudin-5 / occludin / 血管新生 |
研究概要 |
本研究は、排卵から黄体新生向かう過程で正常黄体かあるいは卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の卵巣に存るかを決定付ける因子として、VEGF-VEGFR系と血管透過性、またその血管透過性を規定するtight junction関連タンクの発現の観点から研究するため企画された。また研究の成果をOHSSの発症の予防法の臨床応用ついても研究し以下の成果を得た。(1)コントロールに比べてOHSS群の卵巣ではVEGF、VEGFR-1、VEGFR-2のいずれも過剰発現していた。(2)Evans blueの血管透過性もコントロールに比べてOHSS群の卵巣で有意に亢進しVEGF-VEGFRと相関していた。(3)Tight junction関連タンパクの発現の検討では、黄体血管内皮のclaudin-5とoccludinの発現がOHSS群で有意に低下していた。(4)GnRHa投与の効果は、hCG投与後2日間の投与でもVEGF-VEGFR系が抑制されたが、血管透過性の亢進はそれほど有意には抑制されなかった。しかし、GnRHaをPMSGとともに開始し、hCG後2日後まで続けた群ではVEGF-VEGFRの発現が有意に減少した。OHSS卵巣の血管透過性の亢進も有意に抑制された。(5)GnRHa投与によってOHSS処理によるclaudin-5とoccludinの発現減少は食い止められた。(6)この成果を踏まえて、体外受精・胚移植症例でOHSS発症のハイリスクグループにGnRHaをlong protocolで投与開始し、hCG投与後も1週間継続投与した。この方法により有意にscvere OHSS発症の頻度が低くなり、ラットOHSSモデルでの成果と合致した。以上から正常黄体新生か卵巣過剰刺激症候群発症かを決定付ける因子としては、新生黄体のVEGF-VEGFRの発現量が重要で、その過剰発現はOHSS発症と関連している。またおそらくこのVEGFによって、その発現量が調整されているのは血管内皮細胞間を直接シールするtight junction関連タンパク(claudin-5、occludin)であり、それが維持されるどうかが重要で、これらが減少する時には正常黄体新生からOHSS発症に向かう事が明らかになった。
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