研究課題/領域番号 |
14571596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 善仁 福岡大学, 医学部, 講師 (20260698)
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研究分担者 |
瓦林 達比古 福岡大学, 医学部, 教授 (30142350)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 子宮平滑筋 / 過分極誘発性内向き陽イオン電流 / T型カルシウムチャンネル / 電位固定法 / α1サブユニット / ヒト子宮平滑筋 / T-type Ca^<2+> channel / 収縮頻度調整 / α1 subunit / 過分極誘発性内向き電流 / 単離細胞 |
研究概要 |
子宮平滑筋の収縮力については細胞膜のL型Ca^<2+>チャンネルがその規定因子として重要と考えられるが、十分な弛緩状態の形成に関与するチャンネルについては未だ明確になっていない。我々は先の研究でラットにおいては心筋と同様に過分極により活性化されるイオン非選択的内向き電流(Ih電流)が子宮平滑筋のautomaticityの決定に重要であることを見いだした(European Journal of Physiology 439:76-85,1999)。しかしこのチャンネルは、単離したヒト妊娠子宮平滑筋を用いた電位固定法による我々の検討では、多くの場合記録する事ができず、実験条件に問題がある可能性も否定できないが、ヒトにおける収縮頻度調節における生理的意義は大きくないものと考えられた。そこで収縮頻度を調節している可能性のある他のチャンネルとしてT-type Ca^<2+> channelに着目し、まずはラットを使用して以下のような結果を得た。非妊娠、妊娠7、12、15、21日目、分娩中のラット子宮筋より輪走筋と縦走筋を別々に採取し、T型カルシウムチャンネルの亜型であるα1G、α1H、α1IサブユニットをencodeするmRNAの発現量をcomparative kinetic RT/PCR法にて評価した。妊娠経過中、T型チャンネルのα1G、α1H mRNAは縦走筋、輪走筋の両方の筋細胞で発現していたが、α1I mRNAは発現していなかった。縦走筋ではα1H mRNAは妊娠中徐々に増加したが、α1G mRNAは分娩時のみ発現量の増加を認めた。輪走筋ではα1H mRNA発現は妊娠により変化を示さず、α1G mRNAは15日目と分娩時のみに増加した。すなわちラット子宮筋において、T型チャンネルは縦走筋、輪走筋で妊娠中異なる発現パターンを示し、両筋層の活動電位パターンの相違や分娩時の劇的な変化に関与しているものと思われた。さらに我々はヒト妊娠子宮平滑筋においてT型Ca^<2+>チャンネルにnative formを含めて4つのsplice variantが存在することを見いだした。今後このチャンネルに関して電気生理学的な検討を加える予定である。
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