研究課題/領域番号 |
14571603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 敏彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70280881)
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研究分担者 |
吉田 尚弘 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90291260)
川瀬 哲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169728)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 蝸牛外らせん溝細胞 / 蝸牛内カリウム循環 / Kir4.1カリウムチャネル / P2X(2)ATP受容体 / 蝸牛 / 内リンパ電位(EP) / 内耳 / outer sulcus epithelium / cation reabsorption / nonselective cation channel / cochlea / inner ear |
研究概要 |
蝸牛外ラセン溝細胞は蝸牛外側壁の下部に位置する上皮細胞で、蝸牛上方回転ではその頂面側膜は内リンパに直接面しているが、下方回転ではクラウディウス細胞により被覆されており内リンパには接していない。一方、基底側膜は蝸牛らせん靭帯に突起をのばしており、カリウムリサイクル機構における経路として重要な役割を担っている。われわれはこれまで蝸牛外ラセン溝細胞がカリウムイオン輸送に関与する細胞であることを報告し、平成15年度においては、蝸牛外らせん溝細胞の頂面側膜におけるP2X(2)ATP受容体の局在を明らかにし、内リンパからの陽イオン吸収に関与すると考えた。平成16年度は外ラセン溝細胞の基底側膜のカリウムイオンチャネルの局在を更に詳細に解析するため免疫組織化学的に検討を行った。方法は砂ネズミ、白色モルモット、マウスを用い、それぞれエーテル吸入後にネンブタールを腹腔内投与して麻酔し、PBS、10%ホルマリンで全身潅流固定後に蝸牛を摘出した。1%酢酸加10%ホルマリンにて外リンパ潅流し、EDTAで脱灰した。エタノール系列にて脱水後パラフィン包埋し、その後厚さ6μmの切片を作成し、抗Kir4.1抗体を一次抗体として24時間反応させ、さらに二次抗体と反応後DABで発色させた。その結果、砂ネズミ、モルモット、マウスのいずれにおける蝸牛基底回転から上方回転まで、すべての蝸牛外ラセン溝細胞の基底側膜においてKir4.1の発現が認められた。このことはKir4.1が上皮細胞系ギャップ結合システムを通過して外らせん溝細胞に取り込まれたカリウムイオンや内リンパから外らせん溝細胞頂面膜側を介して再吸収されたカリウムイオンを蝸牛側壁線維細胞へ輸送し、更に血管条へ再循環することを示唆し、これまで報告されてきた蝸牛内カリウムイオン循環において蝸牛外らせん溝細胞が重要な役割を持つことを証明した結果である。
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