研究課題/領域番号 |
14571622
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
柿木 章伸 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
|
研究分担者 |
竹田 泰三 高知大学, 医学部, 教授 (50115763)
岡田 暉彦 高知大学, 医学部, 助教授 (00025628)
竹内 俊二 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50188158)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 内リンパ嚢 / モルモット / ラット / エンドサイトーシス / 物質輸送 |
研究概要 |
内リンパ嚢における物質輸送に対する各種ホルモンの影響を検討するためには、実験動物としてモルモットとラットを用い物質輸送を検討した。内リンパ嚢物質輸送を検討するにあたり以下の実験を行った。 第1の実験は、モルモットとラットを用いた。ガラス細管により人工内リンパ嚢液に溶かしたトレーサー(HRP、マイクロペルオキシダーゼ(MPO)、カチオンカフェリチン(CF))を内リンパ嚢に注入した。30分後に内リンパ嚢を摘出し、2%グルタールアルデヒドと2%パラホルムアルデヒド(0.1Mリン酸緩衝液、PH7.3)で1時間固定した、組織は緩衝液で洗浄後、DAB反応後、1%オスミウム酸による後固定を行った。標本を透過型電子顕微鏡で観察した。 第2の実験はラットを用いた。全身麻酔下に、後頭開頭により内リンパ嚢を摘出し、人工内リンパ嚢液に溶かしたトレーサー(HRP)を含む培養液中で30分間培養した。その後、第1の実験と同様の固定を行い、標本を透過型電子顕微鏡で観察した。結果を以下に述べる。 第1の実験系では、SDラットの内リンパ嚢がモルモットと比べ小さく、側頭骨内にその大部分が存在しているため、十分なトレーサーの注入ができないことがわかった。モルモットの内リンパ嚢では、HRPの取り込みは盛んに行われていた。MPOは、ほとんど取り込みが認められなかった。CFは、取り込みが盛んな部位とそうでない部位が存在していた。 第2の実験系では、トレーサーは内リンパ嚢上皮の表面には付着するが、細胞内への取り込みは認められなかった。この結果から、ラットの内リンパ嚢では、モルモットで観察されたような活発な物質取り込みは行われていないことが示唆された。また、モルモット内リンパ嚢においても、トレーサーや部位の違いにより取り込みの違いが存在することがわかった。 今後の課題としては、内リンパ嚢の機能解明のためには、内リンパ嚢上皮に存在する各種のレセプターを免疫組織化学的手法を用いて検索し、これらのレセプターに対するリガンドを加えた後の物質取り込みの状態を検討する必要がある。
|