研究課題/領域番号 |
14571634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
芳川 洋 順天堂大学, 医学部, 教授 (50133327)
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研究分担者 |
西嶋 隆 順天堂大学, 医学部, 助手 (80266022)
中村 昇太郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (70245752)
藤本 由紀子 順天堂大学, 医学部, 助手 (10327843)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 誘発性音響放射 / 語音刺激 / 内耳機能 / 老人性難聴 / 語音聴取能 / 語音モデル刺激 / 誘発耳音響放射 / 加齢 / 刺激音 / 語音モデル / 老化現象 / 複合音刺激 / 加齢変化 / 自発耳音響放射 / 歪成分耳音響放射 |
研究概要 |
誘発耳音響放射はクリックやトーンピップ刺激によって蝸牛より誘発される音響現象である。誘発電位と異なり、刺激音特異的な蝸牛の応答性を検討できるため、語音に対する蝸牛に限局した応答性を検討しうる可能性がある。しかしながら、通常語音ては刺激音と誘発耳音響放射の潜時関係から考慮すると、刺激の母音部分が反応の大部分と重複してしまい誘発耳音響放射が記録できない。このため、持続時間の極めて短い語音モデルを計側機器において作成し、それに対する蝸牛の応答性を検討し、加えて蝸牛に於ける加齢現象を検討した。 まず、持続時間2.5msのトーンピップを用いて、その中心周波数が日本人成人女性の平均的母音フォルマントとされる3つの周波数成分の合成によりa,e,i,o,uに相当する複合トーンピップを作成し、この刺激音に対する蝸牛の応答性を検証した。その結果、これらの刺激音に対する反応波形は刺激音に一致する周波数構成を呈するものの、その反応波形は個体特異的であり、かつ、刺激音特異的であることが判明し、加えて、1年間の間隔を置いても極めて高い再現性を有しており、個体識別の補助的手段として有効と考えられるものであった。 日本語において、語音の認識で最も重要な要素は、後続する持続時間の長い母音成分より、これに先行する持続時間の短い、比較的高周波数帯域の雑音的成分である子音部分であることはよく知られていることであるが、語音モデルとして検討したクリック+複合トーンピップ刺激においても、刺激開始後6.5〜11msの高周波数帯域の反応波形がいずれの後続母音モデル複合トーンピップにおいても、共通してクリックに対する反応波形と形態的に類似していたことと一致するものと考えられた。 誘発耳音響放射の刺激音としての条件を満たす単音節語音モデルのシミュレーションを検討したが、上記のごとく実際の刺激音として記録系に導入することが出来ず、今後の課題としてのこされる結果となった。 そこで、子音部分のモデルとしてのクリックに対する蝸牛の応答性を乳幼児から高齢者におよぶ対照群で比較検討することで、単音節語音の先行子音に対する蝸牛の応答性を類推するにとどまった。
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