研究概要 |
上気道の線維目細胞の特性の一部が、下気道の線維目細胞と比較することにより明らかになった。特に、上気道においては、慢性副鼻腔炎という病原微生物の関与が病態形成に深く関わっている疾患がある。まず、グラム陰性菌由来のLPSに上気道線維芽細胞が反応し好酸球遊走因子であるRANTESを産生し、さらにIFN-γとLPSの同時刺激でRANTESの相乗的産生が確認された。またLPSとIL-4の同時刺激でeotaxinやTARCの相乗的産生がみられた。この反応は上気道では、健常な線維芽細胞でもみられたが、健常な下気道線維芽細胞ではみられなかった。現在、toll like receptor (TLR) ligands (TLR2 ligands, TLR3 ligands, TLR5 ligands, TLR7/8 ligands, TLR9 ligands)で上気道線維芽細胞を刺激し、上気道線維芽細胞の自然免疫における役割の解明、慢性副鼻腔炎病態形成への寄与について研究を続けている。
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